細野秀雄教授が恩賜賞・日本学士院賞を受賞しました。
- 受賞者細野 秀雄 東京工業大学フロンティア研究機構 教授・同元素戦略研究センター長
- 研究題目
授賞理由
細野教授は、独自の材料設計指針に基づき酸化物系の電子機能を探索し、以下の成果をあげました。
- 1.
- 鉄系高温超伝導体の発見
鉄化合物(オキシニクタイド)が高い臨界温度で超伝導を示すことを見出しました。 - 2.
- 透明酸化物半導体の分野の開拓
多くのp/n型、および両極性半導体物質を報告しました。また、透明アモルファス酸化物(TAOS)を設計し、それを薄膜トランジスタ(TFT)に用い、アモルファスシリコンより一桁高い移動度を実現しました。その一つIGZOを用いたTFTは、新型ディスプレイの駆動用に実用化されました。 - 3.
- 安定な電子化物の創製と物性の解明
石灰とアルミナから構成されるC12A7結晶を、絶縁体―金属―超伝導体への変換に成功しました。低仕事関数で化学的不活性という性質を見出し、これを利用し高性能なアンモニア合成触媒を実現しました。
日本学士院賞は、優れた業績を挙げた研究者に贈られる学術賞で、今回、細野教授は特に優れた業績を挙げた研究者に贈られる恩賜賞も合わせて受賞しました。
細野秀雄教授のコメント
1994年から本学で始めた研究テーマを、科研費、JSTのERATOや内閣府FIRSTプログラムで支援をいただき、恩師や多くの共同研究者、PDや研究室の卒業生らのおかげで、面白い物質・材料研究をやってこられました。お世話になりました方々に厚く御礼申し上げます。もう少し研究に集中して、新しい機軸でこれまでと違った世界をみてみたいと思います。
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