鈴木啓介教授が日本学士院賞を受賞しました。
- 受賞者鈴木啓介 東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻 教授
- 研究題目
授賞理由
鈴木啓介教授は、生理活性天然有機化合物の全合成、および、その基礎となる合成反応の開発に関する研究を行いました。動植物や微生物などが産生する有機化合物には種々の有用な生理活性を示すものがありますが、中には入手源や産生量の制約から、天然から十分な量が得られないものもあります。そのような場面では有機合成による供給が期待されますが、目的物の構造が極めて複雑な場合は、合成も容易ではありません。鈴木教授は、この観点から従来困難とされていた、多くの不斉中心や官能基を有する化合物の合成に関し、基礎化学の立場から新しい合成反応の開発や合成経路の設計を行いました。反応開発では高反応性化学種を活用し、斬新かつ有用な有機分子構築法や立体制御法を編みだしました。一方、合成研究では糖質、テルペン、ポリケチドなどの生合成の異なる部分構造が複合化した高次構造天然有機化合物を標的として、数々の全合成を実現しました。
日本学士院賞は、優れた業績を挙げた研究者に贈られる学術賞です。
鈴木啓介教授のコメント
身に余る光栄に、感激しています。多くの学生さん、スタッフの皆さんのおかげです。恩師、同僚、友人、そして家族に感謝します。
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