要 点
- 新種の「空間反転対称性の破れた(=極性) トポロジカル絶縁体」を発見
- グラフェンの課題を克服し、グラフェンにない電子機能を兼ね備える新物質
- 革新的電子デバイスの開発に弾み
概 要
東京工業大学応用セラミックス研究所の笹川崇男准教授と英オックスフォード大学や米スタンフォード大学などの日英米共同研究チームは、革新的電子デバイス向けの新物質「"極性"トポロジカル絶縁体」を世界で初めて発見した。内部は絶縁体で表面だけがグラフェンに似た特殊な金属状態となるトポロジカル絶縁体と呼ばれる物質の新種で、これを用いることにより、従来材料では難しかった新原理の電子デバイスを、単純な構造で開発できるようになる。
この成果は英国の科学誌「Nature Physics (ネイチャーフィジックス)」においてオンラインで先行出版(10月6日発行:日本時間10月7日)された。
今回発見した新種のトポロジカル絶縁体の結晶構造(左)と育成に成功した単結晶の写真(右)