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腰原伸也教授がフンボルト賞受賞

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大学院理工学研究科物質科学専攻 腰原伸也教授が、フンボルト賞を授与されることが決定しました。

フンボルト賞は、ドイツ政府の国際的学術活動機関であるアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が創設した賞で、人文、社会、理工の分野において、後世に残る重要な業績を挙げ、今後も学問の最先端で活躍すると期待される国際的に著名な研究者に対して授与されるものです。ドイツで最も栄誉のある賞とされており、毎年100人以内に 授与されます。

今回の受賞の対象となった研究は「光誘起協力現象(光誘起相転移)」であり、特に、以下の2点が評価されました。

(1)
光誘起相転移という新現象を提唱し、合成化学者、半導体研究者の協力のもと、超高感度、超高速で劇的に色相、磁性、誘電性、伝導性などが光励起で変化する物質を多数、世界に先駆けて発見したこと。
(2)
研究に不可欠な「動的構造解析」という新技術を、超短パルス量子ビーム源を駆使して開拓し、光誘起強誘電材料や、光励起のみで発現する新物質相の発見に世界で初めて成功したこと。

腰原伸也教授

受賞を受けて、腰原教授は以下のようにコメントしています。

「大変重要な賞をいただき、光栄に感じると同時に、いままで研究を支えていただいて来た多くの先生方、諸先輩、学生諸氏、大学、研究所、財団など関係者の皆様、とりわけ若手の皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。自分はひたすら「新しいものを覗き見たい」と興味のおもむくまま、若い人たちともっぱら基礎研究にまい進しておりましたので、このような高い評価をいただいたことに驚き、また今後の研究展開への責任も感じております。今回の受賞を、ドイツや世界の研究者との出会いのための新たなきっかけとし、より一層「新しい世界の海図なき航海」に頑張りたいと思います。」


光照射による相転移現象のドミノ効果を可視化

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光照射による相転移現象のドミノ効果を可視化
高効率光スイッチング素子応用に道

概要

理工学研究科の沖本洋一准教授らの研究チームは、試料のペロブスカイト型コバルト酸化物(Pr0.5Ca0.5CoO3)に光を照射することで新しい磁性金属状態を創製するとともに、それがドミノ的に試料奥行き方向に伝播していく様子を可視化することに成功した。実験手法はポンププローブ反射分光法 (用語 1)を用い、光照射後の光反射率変化をピコ秒(1兆分の1秒)スケールで追跡して観測、得られた観測データを電磁気学的に解析することにより実現した。

さらに、この光照射により発生する相転移のドミノ効率は、1光子の入射でおよそ80サイトのコバルトイオンを磁化できることがわかった。この高い相転移効率はドミノ的な光励起状態の増殖によってもたらされるものであり、高い効率を持つ光スイッチング素子応用に向けて道を拓くと考えられる。

研究の背景

レーザーパルス光照射による固体の電気的、磁気的性質の高速制御の研究が現在、注目を集めている。これは、光誘起相転移現象と呼ばれ、基礎物理学的観点、および高速スイッチングデバイスへの応用の観点から興味深い現象である。

本研究では、スピンクロスオーバー転移を示すコバルト酸化物に注目しその光照射効果を調べた。スピンクロスオーバー転移とは、鉄やコバルトなどの遷移金属原子中の電子のスピン状態が、強い電子-格子相互作用により磁性状態と非磁性状態間を変化する現象で、特に鉄の有機錯体系などで光照射によるスピンクロスオーバー変化(光磁性効果)がよく知られており、広く研究がなされている。本研究では、有機錯体系よりはるかに安定・堅牢であるセラミック化合物でありかつスピンクロスオーバー物質として知られるコバルト酸化物Pr0.5Ca0.5CoO3に注目し、光で創られる光磁性相生成の探索的研究を行った。

研究成果

本実験では、高速レーザパルス(波長800nm)を試料に照射し、その後の光反射率の時間依存性を中赤外~可視光領域まで測定し、データの電磁気学的解析を行った。その結果、光照射によってコバルト原子の磁性が発生しかつ金属化することがわかった。更に、励起されたコバルト原子は実空間でドミノ的に増殖していくこと(下図)、および1つの光子が約80サイトのコバルト原子を磁化できること、などが明らかになった。このような高い光変換率は、ドミノ的な励起状態の増殖によるものであり、上述の鉄系や、一般の光化学反応で見られるような1光子が1つのサイトを励起する通常の光照射効果とは本質的に異なる現象である。

今後の展開

応用に向けての問題点はこのドミノ効果発生の動作温度が-190度と低いことで、今後類似のコバルト系で動作温度の高い応答を示す試料を探索していく。また、このドミノ発生の起源はまだ明らかになっていないが、レーザ光照射により生じた衝撃波が相転移を助けている可能性が示唆されており、高速のX線パルスをつかった原子位置を直接見る研究がを行うことにより、その起源を解明していく予定である。

光で創成された磁性金属状態がドミノ的に試料奥行き方向に伝播していく様子

光で創成された磁性金属状態がドミノ的に試料奥行き方向に伝播していく様子

用語 1 ポンププローブ反射分光法
光励起用と反射率の測定用の二つのレーザパルスを用いて、試料の光励起後の反射率変化の時間変化を追跡する分光学的手法。

論文情報

雑誌名
Physical Review B 83, 161101(R) (2011).
論文タイトル
Acceleration of domain wall movement by photoirradiation in perovskite-type cobaltite
執筆者
Yoichi Okimoto et al.
雑誌名
Physical Review Letters 103, 027402 (2009)
論文タイトル
Ultrasonic Propagation of a Metallic Domain in Pr0.5Ca0.5CoO3 Undergoing a Photoinduced Insulator-Metal Transition
執筆者
Yoichi Okimoto et al.

お問い合わせ先
理工学研究科物質科学専攻
准教授 沖本 洋一
TEL 03-5734-3895
okimoto.y.aa@m.titech.ac.jp

※1月31日、論文情報(Acceleration of domain wall movement by photoirradiation in perovskite-type cobaltite)を追加しました。

高温高圧下における水+炭化水素混合系の液液相転移を解明

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概要

東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻の下山裕介准教授は、水の臨界点 (374 ℃,218 気圧、用語1) 付近の高温高圧下で形成される水+炭化水素混合系の液液平衡(用語2)において、水リッチ相と炭化水素リッチ相の上下位置関係が、圧力変化によって逆転する液液相転移(用語3)を発見した。

研究の背景

高温高圧下における水+炭化水素2成分系では、気液・液液・気液液平衡といった複雑な相挙動を示す。これらの相挙動は、軽質炭化水素や重質炭化水素といった炭化水素の種類によって大きく異なり、軽質炭化水素+重質炭化水素から成る炭化水素混合系では、水+炭化水素2成分系と比較して、より複雑な相平衡が形成されると考えられる。

研究成果

温度一定下において、水+軽質炭化水素+重質炭化水素系の液液平衡を形成させ、圧力を操作した結果、高圧条件では上相が水リッチ相、下相が炭化水素リッチ相となり、低圧条件では、上相が炭化水素リッチ相、下相が水リッチ相となることが確認された。さらに、液液相転移が生じる圧力について、重質炭化水素の供給組成や、軽質炭化水素の種類が及ぼす影響を把握した。これらの結果は、高温高圧水を利用したオイルサンドやビチュウメン(用語4)等の超重質油改質プロセスにおいて、改質反応工程や分離・精製工程での相状態を明らかにする上で不可欠な知見となる。

今後の展開

幅広い温度・圧力条件、ならびに多種の炭化水素混合系における液液相転移の把握を目指し、本研究で得られた実測データを基に、液液相転移を再現する理論モデルの構築が期待される。

用語説明

用語1: 臨界点
気液相が共存する蒸気圧線の終点。臨界点では、気相と液相の区別がつかなくなる状態となる。

用語2: 液液平衡
2液相が共存した状態で、無限時間放置した状態で液相が巨視的に変化せず、熱力学的に安定となる状態

用語3: 液液相転移
液液平衡において、上下相の位置が入れ替わる現象

用語4: ビチュウメン
堆積岩に含有される石油、タール、アスファルト等の重質油成分

高温高圧水+炭化水素混合系の液液相転移
高温高圧水+炭化水素混合系の液液相転移: 高圧条件において上相である水リッチ相が、低圧条件では下相となる。

論文

雑誌名
The Journal of Chemical Thermodynamics 55, 1-6 (2012)
論文タイトル
Phase transitions on (liquid + liquid) equilibria for (water + 1-methylnaphthalene + light aromatic hydrocarbon) ternary systems at T = (563, 573, and 583) K.
Digital Object Identifier (DOI):
執筆者
東郷昌輝、稲守由輝、下山裕介

温度が上がると収縮する負の熱膨張の材料を発見

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概要

東京工業大学応用セラミックス研究所の岡研吾助教、東正樹教授らと京都大学の研究グループは、ビスマス・ランタノイド・ニッケル酸化物(Bi1-xLnxNiO3用語1)という材料が樹脂材料の熱膨張に匹敵するほどの巨大な負の熱膨張を示し、さらに、その動作温度範囲を室温付近の400-200K(Kは絶対温度、0Kはマイナス273.15℃)の間でコントロールできることを発見した。

研究の背景

電子部品や光通信などのナノスケールでの加工精度が必要とされる産業では、熱膨張によるほんのわずかな位置ずれですら致命的な問題となる。この問題を解決するアプローチとして、温度を上げると体積が収縮する負の熱膨張現象を応用し、構造材の熱膨張を抑制する手法が注目を集めている。

研究成果

Bi1-xLnxNiO3 (Ln = La, Nd, Eu, Dy) は6 GPa(ギガパスカル)、1000 ℃という高圧高温条件で合成される。 一連の試料の負の熱膨張挙動を、平均格子体積の温度変化を調べる粉末X線回折法 (XRD、用語2) と直接試料片長さの温度変化を調べる熱機械分析法 (TMA、用語3) を用いて評価し、組成依存性を明らかにすることを目的として研究を行った。

本研究により、Bi0.95Ln0.05NiO3 (Ln = La, Nd, Eu, Dy)というすべての組成で、線熱膨張係数αL = 70×10-6/Kを超える巨大な負の熱膨張が起こることを見いだした。この値は、熱膨張の大きな樹脂材料に匹敵する。Bi0.95La0.05NiO3では280-400Kという室温以上の実用性の高い温度領域で負の熱膨張を示す。これらの材料の負の熱膨張が起こる温度は、置換するランタノイドのイオンを小さくすることで高く、また置換量を増やすことで低くコントロールすることが可能であることを発見した。

今後の展開

Bi1-xLnxNiO3は樹脂材料に匹敵するほど大きな負の熱膨張を示し、さらにその特性はチューニングできる。よって、所望の温度範囲で構造材の正の熱膨張を抑制可能と期待できる材料である。

用語解説

用語1: Bi1-xLnxNiO3
ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、酸素(O)がペロブスカイトと呼ばれる結晶構造をとった酸化物。本研究では、ビスマスの一部をランタノイド元素(Ln)で置換した材料の研究を行った。Ln は ランタン=La、ネオジム=Nd、ユウロピウム=Eu、ジスプロシウム=Dy

用語2: X線回折法 (XRD):
X線回折法 (XRD): X線が結晶格子で回折を示す現象を利用し、物質の結晶構造(格子体積の大きさ)や内容物の割合などを調べる手法。

用語3: 熱機械分析法 (TMA):
圧縮、引張り、曲げなどの荷重を加えながら、試料の温度を変化させ、試料の変形を直接的に測定する方法。

図 a,b,c
(a) Bi1-xLnxNiO3における温度誘起電荷移動相転移。
(b) 粉末X線回折パターンから求めた平均格子体積の温度変化。
(c) 熱機械分析装置で測定した試料片長さの温度変化。

論文

著者:
岡 研吾, 奈部谷 光一郎, 坂口 智可, 関 隼人, Michal Czapski,
島川 祐一, 東 正樹
論文タイトル:
Tuning negative thermal expansion in Bi1-xLnxNiO3 (Ln = La, Nd, Eu, Dy).
掲載雑誌:
Applied Physics Letters 103, 061909 (2013)
Digital Object Identifier (DOI):
所属:
東京工業大学応用セラミックス研究所、京都大学化学研究所

ミリ波帯無線機で毎秒28Gbit の伝送速度を達成

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ミリ波帯無線機で毎秒28Gbit の伝送速度を達成
-64値変復調が可能な世界初の60GHz帯無線機を開発-

概要

東京工業大学大学院理工学研究科の松澤昭教授と岡田健一准教授らの研究グループは、28Gb/s(毎秒280 億ビット)伝送が可能な60GHz(600 億ヘルツ)ミリ波無線機を開発した。

無線信号の位相と振幅の両方を使って一度に6ビット分の情報を送る64QAMという変調方式に対応した世界初の60GHz帯無線機である。従来方式では変調帯域が広げられず、伝送速度を20Gb/s 以上にできなかった。同グループは広帯域化が可能なミキサファースト型の送信機を開発し、この問題を解決した。

開発した無線機は最小配線半ピッチ65nm(ナノメートル) のシリコンCMOS プロセスで試作した。IEEE802.11ad/WiGig 規格など60GHz 帯ミリ波無線通信の各種国際標準規格に準拠する無線通信が可能である。消費電力は送信機186mW(ミリワット)、受信機155mW、発振器64mW と低く、携帯電話などに搭載可能であり、ミリ波無線通信の実用化につながる。

本成果は9日からサンフランシスコで開かれる「ISSCC (国際固体回路国際会議)」で11日に発表する。

図

お問い合わせ先
大学院理工学研究科電子物理工学専攻 岡田健一
Tel: 03-5734-2258 Fax: 03-5734-3764
Email: okada@ssc.pe.titech.ac.jp

フジテレビ「ニュースジャパン」に中本高道教授が出演

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中本高道教授

精密工学研究所 中本高道教授の研究室の活動が、11月4日のフジテレビ「ニュースジャパン」で放送されました。

光が3原色から全ての色彩を表せる一方、中本教授は、12種類の香りのもとで4,096通りの香りを再現する研究に取り組んでおり、番組内で紹介されました。匂いを記憶し、場所や時間を超えて送信する技術です。

なお、中本教授が取り上げられたコーナーの動画は、以下のフジニュースネットワークのサイトでご覧いただけます。


遠隔匂い再現システム

BBC WORLD NEWS 「Click」で東工大の研究紹介

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「テクノロジー」にまつわるニュースや最新動向をレポートする番組、BBC WORLD NEWS「Click」で東工大の研究が紹介されました。
日本での高齢者向けテクノロジーをテーマにしたエピソードに機械宇宙システム専攻福島研究室(遠藤玄助教)の「追従型4輪車両」、機械物理工学専攻武田研究室の「松葉杖形歩行支援機械」が登場しました。
動画は以下のClickウェブサイトでご覧いただけます。

  • 追従型4輪車両

  • 松葉杖形歩行支援機械

RU11「医療分野の研究開発の総合戦略についての要望」

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このたび、我が国における最先端の研究・人材育成を担う大学であるRU11(北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の11大学で構成)の総長・塾長・学長は、医療分野の研究開発の総合戦略についてRU11の立場から、「医療分野の研究開発の総合戦略についての要望」として声明をまとめました。

平成25年12月5日

医療分野の研究開発の総合戦略についての要望

学術研究懇談会(RU11)

北海道大学総長
山口 佳三
東北大学総長
里見  進
筑波大学長
永田 恭介
東京大学総長
濱田 純一
早稲田大学総長
鎌田  薫
慶應義塾長
清家  篤
東京工業大学長
三島 良直
名古屋大学総長
濵口 道成
京都大学総長
松本  紘
大阪大学総長
平野 俊夫
九州大学総長
有川 節夫

 政府は、日本再興戦略及び健康・医療戦略(平成25年6月14日)の中で健康・医療分野に係る産業を戦略産業に位置付け、我が国の経済成長に寄与するための提案をしています。そのひとつである「日本版NIH」構想では、健康・医療分野の研究開発関連予算を一元化し、効率化を図ることで超高齢社会を乗り切るためのモデルを世界に発信しようとしています。この構想に対し、私たち日本の研究の現場を支える学術研究懇談会(RU11)では、平成25年6月19日付けで「「優れた学術基盤」が支える「日本版NIH」構想について」を公表し、アカデミアの参画と総合科学技術会議での十分な議論についてお願いしました。加えて、我が国の研究者の自由な発想から生まれてくる学術シーズの継続的創成のためには、全学術分野を包含する「科学研究費助成事業(いわゆる科研費)」や「戦略的創造研究推進事業」の確保・充実が必要不可欠であることを強くお願いしました。
その後、「医療分野の研究開発に関する専門調査会」において、医療分野の研究開発に関する総合戦略の策定に向けた検討が進んできたことを受け、新たに以下に示す要望をまとめました。

RU11からの要望

1. 健康・医療分野に係るファンディング、研究、病院機能を統合したオールジャパン体制の構築に対する支援

健康・医療分野に係る優れた研究成果の創出と研究成果を世界に力強く発信するためには、その担い手である私たちRU11、国立大学附属病院長会議、一般社団法人ARO協議会、日本学術会議等が参画できる体制を実現していく必要があります。そのため、新しい独立行政法人においては、上記の様々な組織の意見が直接反映できるような仕組みを整備することを求めます。そしてこの実施体制が円熟することで国内はもちろん、世界に対し優れた健康・医療技術を我が国から迅速に発信できるものと考えています。

2. 健康・医療分野に係る人材育成強化に対する支援

これまでの大学の責務である自由な発想に基づく研究と並んで、日本再興戦略や健康・医療戦略の目的を達成するためには、産業化を直視した戦略的研究手法を理解し、アカデミアの"知"を社会経済的価値に結び付ける人材の育成が急務です。そのためには、大学が担う学部及び大学院での臨床研究の在り方や産業化のための戦略(特許等)等について理解を深めるカリキュラムの必須化や生物統計の専門家の育成推進、並びに企業と大学との人材交流を活発にするための改革を一層進めることが必要です。このために必要な「長期的展望に立った人材育成への支援と法的規制緩和」を求めます。

3. 健康・医療分野に係る研究費運用の柔軟性確保に対する支援

健康・医療分野に係る研究並びにその産業化は、基礎研究、臨床研究を問わず、特許の取得や譲渡等により世界レベルで急速に変化する一方、長期間にわたる継続的な基盤形成を必要とする場合があるなど、極めて流動的です。このような動きに現場レベルで迅速に対応し、我が国の医療分野の研究開発への投資を真に実のあるものとするため、大学における研究費の適正な使用に関する我々の取り組みと併行して、一定の限度を定めた上で、費目変更や執行時期の調整を可能とするなど、運用の柔軟性を確保することを求めます。

4. 産業界からの資金提供と免税制度の採用に対する支援

健康・医療分野に係る研究並びにその産業化には莫大な予算が必要なことから国費のみでまかなうのは大変難しいのが現状です。そこで産業界のもつ資金をアカデミアが無理なく活用できる仕組みの創設が必要です。その際、アカデミアと産業界が相補的に働き、双方にメリットがあるよう、政府と大学が一体となって日本版ウェルカムファンド(企業、個人からの寄付金等)の創設に向けた取り組みを行うとともに、諸外国に匹敵する出資者に対する大胆な免税制度の採用を求めます。

5. バランスの取れた研究予算配分と研究基盤強化に対する支援

50年後、100年後の日本の未来を照らすシーズを創出するために、特定の分野に偏ることのないバランスの取れた合理的な研究予算配分と、基礎研究及び患者のための臨床研究の基盤強化に対する継続的支援を求めます。また、健康・医療分野に係る研究の成果を世界に発信するためには、少なくとも米国FDA(アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration))や欧州EMA(欧州医薬品庁(European Medicines Agency))が定めるガイダンス等に従って注意深く研究を進める必要があります。そのためにリスクベースド・アプローチ(注)に基づいた我が国の研究ガイダンスの策定を求めます。
(注)費用と便益・リスクとの兼ね合いを社会が受け入れる基準を用いてコントロールするという考え方。

以上

お問い合わせ先
研究推進部研究企画課研究企画グループ
電話 03-5734-3803
E-mail pro.sien@jim.titech.ac.jp


末松安晴栄誉教授・元学長が 2014年日本国際賞(Japan Prize) 受賞

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光通信の世界的研究者として知られる末松安晴・東京工業大学栄誉教授(元学長)が、この度、2014年日本国際賞(Japan Prize)を授与されることが決定しました。

日本国際賞 (Japan Prize) とは、「国際社会への恩返しの意味で日本にノーベル賞並みの世界的な賞を作ってはどうか」との政府の構想に、松下幸之助氏が寄付をもって応え、1985年にはじまった国際賞です。この賞は、全世界の科学技術者を対象とし、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められる人に与えられるものです。毎年、科学技術の動向を勘案して決められた2つの分野で受賞者が選定され、受賞者には、賞状、賞牌及び賞金5千万円が贈られます。

末松安晴栄誉教授は、2014年の授賞対象分野の一つである「エレクトロニクス、情報、通信」の受賞者として選ばれました。

授賞理由:

大容量長距離光ファイバー通信用半導体レーザーの先導的研究

末松安晴栄誉教授は、光エレクトロニクスの黎明期である1960 年代初頭から光通信の研究に取り組みました。1980 年代始めには、光ファイバーの損失が最小になる波長の光を発し、かつ大量の情報を送るために光を高速で変調しても波長が安定した動的単一モードレーザーを完成させ、大容量・長距離光ファイバー通信の実現に大きく貢献しました。この研究成果は、現在のインターネット社会には不可欠なもので、将来にわたって私たちの情報化社会をさらに進化させ続けるものと思われます。

授賞式は、4月23日(水)に東京で開催されます。この週には、日本国際賞週間行事として、レセプション、学術懇談会、授賞式、祝宴、受賞記念講演会の各種行事が開催される予定です。日本国際賞は今回で第30回を迎え、日本人受賞者はこれまで藤嶋昭博士(元本学経営協議会委員)ほか16名が受賞者されていますが、東京工業大学からは初の受賞です。

今回の受賞をうけ、末松栄誉教授は次のようにコメントしています。

この度は日本国際賞を与えられる事になり、すでに受賞しておられる光技術研究の巨人達の末席に加えていただき、誠に名誉なことと感謝しております。

この研究は1961年から始めました。光ファイバ通信の本質は大容量の情報を長距離にわたって伝送できるところにあります。その本質を具現化するには、当初、光の伝送路、後に光ファイバの開拓と、もう一つは純粋で安定な光を出すレーザの開拓が必要不可欠でした。今回の受賞対象は、後者に関わる「動的単一モードレーザ(1980年)」と呼ぶ通信用レーザの開拓であります。両者の開拓は、企業と大学で並んで進みました。そして、この動的単一モードレーザの開拓を一つの契機にして、光ファイバや光回路や光デバイス、変調方式やシステム構成、そして電子デバイスなどの開発が日本を始めとする企業において進み、世界的な規模で大容量長距離光ファイバ通信技術が開拓されました。

戦後の我が国の技術開拓史の中で、新技術開拓が研究開発の段階から世界の再先端で進められたのは光通信が最初と言われております。こうして、大容量長距離光ファイバ通信は、1980年代の後半から商用化が進み、折しも浸透し始めていたインタネットを支えて共に発展しました。2002年10月にはNTTの光ファイバ線路、FTTH回線が拙宅まで接続されました。家庭で使われて初めて新技術は社会に定着したと云われます。情報通信文明の展開にささやかながら貢献させていただいたと実感しました。実は、最終形態の動的単一モードレーザと考えて提案し・実証していた波長可変レーザが発展して使われるようになったのは2005年頃で、2010年には本格的に普及が始まりました。私は2 、3年前にこのことを知って欣喜雀躍し、やっと自分の仕事に納得しました。革新的な技術が世の中に浸透するには、半世紀に及ぶ、実に長い年月を要するものと、身を持って実感しました。今後とも動的単一モードはさらに進歩し、次世代の光ファイバ通信の発展に貢献するものと考えられております。

本研究は、まだこの世に存在しなかった大容量長距離光ファイバ通信を実現するために、既存の技術を大幅に乗り越える第一世代のシステム開拓を目指して半導体レーザを中心に行いました。本質的な主要目標課題を設定して現実的に逐次解決し、革新技術の前に横たわる谷を越すのに躊躇しがちな産業界に、安心して受け取っていただけるように現実的な開拓を進めた地道な研究でした。すなわち、「予想した基本性能の動的単一モードレーザを達成するために、逐次、問題解決を達成して進めたシステム指向のデバイス研究」でありました。こうした工学的研究展開の意図を正面から評価していただいたのは初めての経験で、光技術の創成期の研究者達を代表して、国際科学技術財団の審査委員会各位の高い見識と国際科学技術財団に、深甚の謝意を表する次第であります。

本研究は、39名の博士課程学生諸君をはじめとする学生諸君、さらに同僚などの多くの研究協力者のみなさんの日夜を分かたない努力と創造的な叡智発露の賜で、ここに深く感謝します。故森田清先生、故川上正光先生、末武国弘先生、故岡村総吾先生、そして斉藤成文先生などの先生方からはご指導とご鞭撻、そして多大なご支援をいただきました。改めて深甚の感謝を申し上げる次第であります。本研究は文部科学省の多大な科学研究費のご支援の下に達成されました。また、研究初期の段階では、企業の見返りを期待しない支援が大きな助けになりました。さらに、学会では大学・産業界を始めとした研究者のみなさんとは最新の成果情報を交換し、意見を戦わせ、得がたいご示唆と励ましをいただきました。この機会に、併せて深く感謝する次第です。

お問い合わせ先
広報センター(プレス担当)
TEL: 03-5734-2975
Email: media@jim.titech.ac.jp

※2月5日、末松栄誉教授のコメントを追加しました。

平成25年度東工大基金による「研究の種発掘」支援 採択者決定

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平成25年度東工大基金による「研究の種発掘」支援の採択者が17名決定いたしました。

「研究の種発掘」支援とは、従来にない画期的なアイデア等を含む、きわめて斬新な着想による研究を支援することを目的として、本学の基金により研究費の支援を行うものです。科学研究費補助金の「挑戦的萌芽研究」等の外部資金に出す前段階にある基礎的・基盤的領域の研究でいまだ誰も着手していない類の「研究の種」の発掘を目指します。

第2回目の今回は42名の応募があり、17名が選考されました。

所属部局
専攻
職名
受賞者
大学院理工学研究科(理学系)
化学専攻
助教
宮永 顕正
大学院理工学研究科(工学系)
材料工学専攻
助教
磯部 敏宏
有機・高分子物質専攻
助教
丸林 弘典
機械物理工学専攻
助教
鈴木 良郎
電気電子工学専攻
助教
庄司 雄哉
土木工学専攻
助教
千々和 伸浩
大学院生命理工学研究科
分子生命科学専攻
助教
正木 慶昭
生体分子機能工学専攻
助教
口丸 高弘
生体分子機能工学専攻
助教
重田 雅之
大学院総合理工学研究科
物質科学創造専攻
助教
松田 晃史
物質電子化学専攻
助教
鈴木 耕太
大学院情報理工学研究科
数理・計算科学専攻
准教授
山下 真
資源化学研究所
助教
武元 宏泰
応用セラミックス研究所
助教
山崎 義弘
助教
安井 伸太郎
助教
北條 元
原子炉工学研究所
助教
鷹尾 康一朗
お問い合わせ先
研究推進部研究企画課研究企画グループ
Email: kensen@jim.titech.ac.jp

データ駆動型アプローチに基づく映像検索のための意味インデクシング開発

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概要

東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻の井上中順(なかまさ)大学院生と篠田浩一教授らはキヤノンの協力で、インターネット上の映像データからタグやメタデータなどのテキスト情報を用いずに、必要な映像を検索する新手法「映像意味インデクシングシステム」を開発した。これは自動車・椅子などの「物体」、夕焼け・家族団らんなどの「シーン」、結婚式・花火などの「イベント」など、人間にとって意味のある「概念」を検出することができる。

研究の背景

インターネット上の映像データが急激に増加している。それらの大部分はユーザーが作成したもので、極めて多様であり、品質も良くなく、また、十分なテキストタグがついていない。このため、映像の画像特徴や音響特徴を利用した映像検索手法の開発が強く求められていた。

研究成果

井上院生、篠田教授らは確率論に基づくデータ駆動型手法による検出システムを開発した。概念を混合ガウス分布(Gaussian Mixture Model; GMM)でモデル化し、そのパラメータを事後確率最大化推定手法で推定した。そのGMMの平均ベクトルを連結したGMMスーパーベクトルを入力としたサポートベクターマシンにより検出を行う。東工大のスーパーコンピュータ「TSUBAME」がこのタスクの遂行に必要な大規模な計算資源を提供した。

今回、開発したシステムは、毎年1回米国国立標準技術研究所が開催する国際競争型映像検索・評価ワークショップ「TRECVID」において、世界各国の一流大学、研究所15チームと競い、2011年、2012年と2年続けて、映像意味インデクシングタスクで最も高い性能を示した。

今後の展開

開発したシステムは、テキスト入力で映像を検索するシステムを構築するのに役立つだけでなく、「自動車のタイヤを交換する」、「サンドイッチを作る」など、複数の概念から構成される複雑なイベントを検出するための重要なツールとなる。

Examples of video search results

論文情報

執筆者:
Koichi Shinoda, Nakamasa Inoue
論文タイトル:
Reusing Speech Techniques for Video Semantic Indexing
雑誌名:
IEEE signal processing magazine, vol. 30, no. 2, pp. 118-122, Mar, 2013
執筆者:
Nakamasa Inoue, Koichi Shinoda
論文タイトル:
A Fast and Accurate Video Semantic-Indexing System Using Fast MAP Adaptation and GMM Supervectors
雑誌名:
IEEE Transactions on Multimedia, vol. 14, no. 4-2, pp. 1196-1205, Aug, 2012
DOI:

お問合せ先
理工学研究科計算工学専攻
教授 篠田浩一
Tel 03-5734-3480

朝永-ラッティンジャー流体の励起素過程の観測に成功

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概要

東京工業大学大学院理工学研究科の鎌田大博士研究員と藤澤利正教授、日本電信電話株式会社物性科学基礎研究所の村木康二上席特別研究員らの共同研究グループは、半導体ナノ構造中において、朝永-ラッティンジャー流体の励起素過程の観測に世界で初めて成功しました。一次元プラズモン回路である量子ホールエッジチャネルを複数用いて、人工的な朝永-ラッティンジャー流体を形成し、プラズモン波束の反射波の時間分解測定を行うことによって観測しました。

朝永-ラッティンジャー流体の励起素過程の観測は、複数の一次元プラズモン回路の間で信号が伝達されることを示しており、プラズモン集積回路への応用の道を開 く成果といえます。

この成果は英国時間2014 年2 月9 日PM6:00 に英国科学雑誌「Nature Nanotechnology(ネイチャーナノテクノロジー)」のオンライン速報版で公開されま した。

朝永-ラッティンジャー流体
通常の伝導体では素電荷e の電子の運動が重要であ るが、一次元伝導体では有効電荷e*をもつ電子集団の運動が支配的で あり、その電子集団を朝永-ラッティンジャー流体という。1950 年に朝永振一郎 博士によって、1963 年にホアキン・マズダク・ラッティンジャー博士によって、 理論が構築され、様々な一次元伝導体(カーボンナノチューブや量子細線など) でその存在が確認されている。しかし、電子またはプラズモンが朝永-ラッティ ンジャー流体に変化する素過程は今まで観測されておらず、その基本的性質を正 しく調べることはできなかった。

量子ホールエッジチャネル
強磁場中の二次元電子系の試料端に沿って形成される 一次元一方向伝導チャネル。電子が伝播する方向は磁場の向きによって一方向に 決まり、原理的に逆方向に伝播することがないため、優れた性能を示すことが 様々な実験によって明らかにされている。

プラズモン
電子の密度の濃い部分・薄い部分が波のように伝搬する電子の集団運 動。プラズモンの応用研究分野は、エレクトロニクスやフォトニクスに対応して 「プラズモニクス」と呼ばれる。

時間分解測定
量子ホールエッジチャネル上のプラズモン波束の電荷量が時間とと もに変化する様子を測定する手法。プラズモンは電子密度の粗密波であるから、 量子ホールエッジチャネルの電荷量に比例した信号(電流)の時間変化を測定す ることにより実現した。

素電荷・有効電荷
電子のもつ電荷を素電荷(e*= 1.602×10-19 クーロン)という。素電荷e*の電子を朝永-ラッティンジャー流体に入れようとしても、その素電荷より小さい電荷量の励起しか発生しない。この電荷を有効電荷とよび、素電荷e*より小さくなりうる。有効電荷が素電荷と異なることによって、朝永-ラッティンジ ャー流体特有の物理現象が発生する。

量子ホールエッジチャネル用いた人工的な朝永-ラッティンジャー流体の模式
量子ホールエッジチャネル用いた人工的な朝永-ラッティンジャー流体の模式

論文情報

雑誌名
Nature Nanotechnology (2014)
Digital Object Identifier (DOI):
論文タイトル
Fractionalized Wave Packets from an Artificial Tomonaga-Luttinger Liquid
執筆者
H. Kamata, N. Kumada, M. Hashisaka, K. Muraki, and T. Fujisawa

お問い合わせ先
大学院理工学研究科 物性物理学専攻
教授 藤澤利正
TEL 03-5734-2750
fujisawa@phys.titech.ac.jp


博士研究員 鎌田 大
TEL 03-5734-2809
kamata.h.aa@m.titech.ac.jp

クロック生成回路をディジタル回路で構成

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概要

東京工業大学大学院理工学研究科の松澤昭教授と岡田健一准教授らの研究グループは、ディジタル回路で構成する新方式のクロック生成回路の作製に成功した。発振器が注入信号に同期して発振をおこす「注入同期現象」を安定的に利用し、フィードフォワード制御による位相同期を行うことにより実現した。従来のクロック生成回路は、帰還(フィードバック)制御による正確な位相同期が必要なため、ディジタル回路では構成できなかった最小加工寸法65nm(ナノメートル)のシリコンCMOS プロセスで試作した新型クロック発生回路は、0.4G~1.4GHz(ギガヘルツ、1GHz は10 億ヘルツ)のクロックを生成可能であり、0.9GHz 出力時の消費電力は0.78mW と非常に低い。0.0066mm2 の極小寸法で実現した。クロック生成回路は、ほぼすべての集積回路に内蔵されており、新方式のクロック生成回路を使えば、身のまわりのあらゆる機器に超小型バッテリーレスセンサーを組み込むことが可能となる。

この成果は9日からサンフランシスコで開かれる「ISSCC (国際固体回路国際会議)」で11日に発表する。

図 論文データとの性能比較

図: 論文データとの性能比較

特徴: 国際会議で報告された最新の研究成果との比較において、大幅な小型化・低ジッタ化を実現した。灰色字のものは手設計によるPLLで、黒字のものは自動設計PLLである。星形の本成果によるPLLは、自動設計が可能で且つディジタル回路のみで構成できるため、大幅な小型化および低消費電力化を実現している。

お問い合わせ先
大学院理工学研究科電子物理工学専攻 岡田健一
Tel: 03-5734-2258 Fax: 03-5734-3764
Email: okada@ssc.pe.titech.ac.jp

C12A7電子化物担体触媒の高活性を解明

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概要

東京工業大学フロンティア研究機構の細野秀雄教授らの研究グループは、セメントの成分である石灰とアルミナの化合物、12CaO・7Al2O3(C12A7)のエレクトライド(電子化物)「C12A7:e-表面にルテニウム(Ru)を担持した触媒が、アンモニア合成に対して高い触媒活性を示すメカニズムを解明した。反応を単純化したモデルにより第一原理計算で検討し、Ru を担持したC12A7:e-の電子供与性が触媒活性に威力を発揮していることを明らかにした。

電子がアニオン(陰イオン)として働く化合物であるエレクトライドは、ユニークな物性を有することが明らかになりつつある。その典型例がアルカリ金属のように電子を与えやすく、それでいて化学的・熱的に安定なC12A7:e-だ。細野教授らはこの物質の表面にRu を担持すると、優れたアンモニア合成触媒になることを2012 年に発表した。

今回のメカニズム解明は、より電子供与能の高い担体やより汎用な金属の組み合わせにより、さらに高性能で実用性に優れた触媒の実現につながる成果といえる。

C12A7 エレクトライド「C12A7:e-

電子が正に帯電した骨格とイオン結合した化合物であり、電子が陰イオンとして機能する。C12A7 は直径0.5ナノメートル程度のカゴ状の骨格が繋がった構造をしており、カゴの内部に電子を入れることで安定なエレクトライドとなることが2003 年に細野グループによって発見された。この物質は金属のようによく電気を通し、低温では超伝導を示すこともわかっている。

図1. 反応のモデル
図1. 反応のモデル

論文情報

Enhanced N2 Dissociation on Ru-Loaded Inorganic Electride, Navaratnarajah Kuganathan, Hideo Hosono, Alexander L. Shluger, and Peter V. Sushko
J. Am. Chem. Soc., (Communication) DOI: 10.1021/ja410925gouter

お問い合わせ先
フロンティア研究機構・元素戦略研究センター
教授 細野秀雄
Email: hosono@msl.titech.ac.jp

平成25年度手島精一記念研究賞授与式

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平成25年度手島精一記念研究賞の受賞者が決定し、2月18日(火)に東工大蔵前会館(TTF)のくらまえホールにおいて、授与式が行われました。

授与式には、本学の三島良直学長をはじめ理事・副学長、事務局長、監事、部局長および旧手島工業教育資金団役員の方々のご出席をいただきました。

授与式では、21件29名の受賞者に対して、学長から賞状と副賞が授与されました。

引き続いて、ロイアルブルーホールにおいて、受賞者を囲んでの祝賀会が行われ、出席者全員和やかな雰囲気のうちに閉会いたしました。

手島精一記念研究賞は、理工系大学における研究を奨励するために設けたものであり、特に優れた研究業績をあげた本学関係者に対して、賞状並びに副賞の授与を行っています。

この賞は、東京工業大学の前身である東京工業学校及び東京高等工業学校の校長であった手島精一先生の功績を記念して、財団法人手島工業教育資金団の事業の一つとして行われてまいりました。この財団法人手島工業教育資金団は、手島先生の功績を記念するため、政界、財界、教育界の多数の諸名士の賛同を得て創設されたものです。

平成25年度手島精一記念研究賞授賞式

受賞者

(敬称略)

研究論文賞(1件)

関澤 佳太
((株)豊田中央研究所・客員研究員)
前田 和彦
(理工学研究科・化学専攻・准教授)
堂免 一成
(東京大学・教授)
小池 和英
(産業技術総合研究所・主任研究員)
石谷 治
(理工学研究科・化学専攻・教授)
Artificial Z-Scheme Constructed with a Supramolecular Metal Complex and Semiconductor for the Photocatalytic Reduction of CO2

博士論文賞(14名)

数学関係部門

四之宮 佳彦
(理工学研究科・数学専攻・日本学術振興会特別研究員PD)
Veech groups of flat surfaces and Veech holomorphic families of Riemann surfaces
直川 耕祐
(理工学研究科・数学専攻・教務補佐員)
Geometry of Möbius strips

物理学関係部門

今野 智之
(首都大学東京・日本学術振興会・特別研究員)
Measurement of reactor anti-neutrino disappearance using the Double Chooz detector

化学関係部門

本多 智
(東京理科大学工学部・工業化学科・助教)
Construction of Nanostructures by Cyclized Amphiphilic Block Copolymers for the Amplification of Topology Effect

生命理工学関係部門

伊藤 尚基
(国立精神・神経医療研究センター・流動研究員)
nNOSにより誘起されるCa2+シグナルが筋肥大を促進する
-A pivotal role of calcium signaling in skeletal muscle hypertrophy-
本間 大悟
(McGovern Institute of Brain Research・ MIT・Postdoctoral Fellow)
Studies on the role of tetrahydrobiopterin in brain development and aging

材料工学関係部門

加茂 祐一
(JFEスチール株式会社)
Al-Mg-Si系合金の連続溶融めっきにおける鋼板の酸化・還元前処理と初期めっき反応に関する研究

応用化学関係部門

田原 淳士
(九州大学・助教)
三核ルテニウム錯体上での金属-金属結合の開裂を伴う炭素鎖メタセシス反応及び芳香族化合物の分子変換反応の開発

機械工学関係部門

佐藤 泰貴
(日本学術振興会・研究員)
大型膜の収納過程において形成される折り目の力学特性を考慮した巻きつけ折り畳み
関口 悠
(精密工学研究所・助教)
固体間凝着力制御による把持と脱離

電気・電子工学関係部門

涌波 光喜
(情報通信研究機構・研究員)
Computational holography using ray-sampling plane

情報学関係部門

謝 寧
(情報理工学研究科・研究員)
A Machine Learning Approach for Automatic Stroke Generation in Oriental Ink Painting

建設関係部門

地元 孝輔
(総合理工学研究科・助教)
強震動評価のための地下構造のモデル化における地震波干渉法の応用に関する研究

環境関係部門

服部 祥平
(総合理工学研究科・助教)
Analysis of the stratospheric sulfur cycle using stable isotopes, experiment and modeling

留学生研究賞(3名)

Abdul Wadood
(物質材料研究機構)
Effect of uniform distribution of α phase on mechanical, shape memory and pseudoelastic properties of Ti-6Cr-3Sn alloy
林 興安
(総合理工学研究科・物質電子化学専攻)
Molecular or Nanoscale Structures? The Deciding Factor of Surface Properties on Functionalized Poly (3,4-ethylenedioxythiophene) Nanorod Arrays
Miranda Martin Santiago
(理工学研究科・物性物理学専攻)
All-optical transport and compression of ytterbium atoms into the surface of a solid immersion lens

発明賞(1件)

岩本 正和
(資源化学研究所・教授)
春藤 聖二
(日野自動車(株)・車両実験部・主管)
佐藤 信也
(日野自動車(株)・技術研究所・グループ長)
平林 浩
(日野自動車(株)・技術研究所・主管)
細谷 満
(日野自動車(株)・技術研究所・室長)
窒素酸化物の炭化水素による選択還元法の開発とそれに基づくディーゼル排ガス浄化システムの実用化

中村健二郎賞(1件)

岩崎 孝之
(理工学研究科・電子物理工学専攻・助教)
カーボン材料の大面積制御合成および電子・エネルギーデバイスへの展開

藤野志郎賞(1件)

山本 拓矢
(理工学研究科・有機・高分子物質専攻・助教)
環状高分子の自己組織化による機能発見:トポロジー効果を利用した高機能材料の開発

平成25年度手島精一記念研究賞授賞式

手島精一記念研究賞の概要

研究論文賞

論文内容の独創性、学術技術上の寄与と波及効果の点で特に優れた研究論文を執筆、発表した本学の教員又は教員のグループを対象とし、学術雑誌に掲載された研究論文の内容に対して授与される。

博士論文賞

30歳以下で、博士後期課程に1年以上在学し学位を取得した者を対象とし、大学院指導教員等の推薦を受けて応募した者の中から、論文内容の独創性と研究の発展性の点で特に優れた博士論文に対して授与される。

留学生研究賞

特に優れた研究成果を上げた博士後期課程に在学する留学生又は修了若しくは単位取得し退学後2年以内の留学生を対象とし、学術雑誌に掲載又は掲載可として受理された論文を審査の対象として授与される。

発明賞

特に優れた発明(原則として特許登録されたもの。国有、個人保有を問わない。)を行った本学の教員又は教員のグループを対象として授与される。

中村健二郎賞

故中村健二郎氏(当時東京工業大学助教授、一般教育等担当)の遺族からの寄附(3千萬円)により平成元年に設置された賞で、広義な科学分野で特に優れた研究成果を上げた35歳以下の若手研究者を対象として授与される。

藤野志郎賞

故藤野志郎氏(当時大同化成工業株式会社取締役会長、東京工業大学応用化学科卒業)が生前、ご本人からの直接の寄附(1億円)により平成13年に設置された賞で、科学技術分野において特に優れた研究成果を上げた45歳以下の若手研究者を対象として授与される。


魚が淡水中のわずかな栄養素を取り込む機構を解明

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要点

  • 淡水魚はえらを介して淡水中のわずかなナトリウムイオンを栄養素として取り込む
  • ナトリウムイオン吸収はアンモニウムイオン排出と交換で行われ、今回、その交換輸送を担うタンパク質 (交換輸送体) を特定
  • 魚類の淡水適応機構の解明、ヒト腎臓のアンモニア排出機序理解の手がかりになる

概要

東京工業大学とメイヨー医科大学 (米・ミネソタ州) の研究グループは、淡水魚のえらで働くNa+/NH4+ 交換輸送体を初めて特定し、その活性を明らかにしました。淡水魚のえらは淡水中のわずかなイオンを栄養素として吸収することができます。淡水からのNa+ 吸収はNH4+ 排出と交換で行われるという説が70年前に提唱されましたが、その分子実体は特定されておらず、長い間専門家の間で議論されてきました。今回、ゼブラフィッシュのえらに発現するNa+/H+ 交換輸送体 (NHE3) をアフリカツメガエル卵母細胞に発現させて活性を解析し、NHE3はNa+/NH4+ 交換輸送体としても機能すること明らかにしました。この結果は、排泄物の排出 (NH4+) と交換に栄養素 (Na+) を吸収する優れた省エネシステムとしてNHE3が機能することを意味し、魚類の淡水適応機構や進化のさらなる解明も期待されます。

掲載雑誌名、論文

掲載雑誌:
American Journal of Physiology - Regulatory, Integrative and Comparative Physiology
表題:
Na+/H+ and Na+/NH4+-exchange activities of zebrafish NHE3b expressed in Xenopus oocytes
DOI番号:
要旨:

図 NH4+、CO2排出が淡水産硬骨魚のNa+、Cl- 吸収に変換される仕組み。

図 NH4+、CO2排出が淡水産硬骨魚のNa+、Cl- 吸収に変換される仕組み。赤字は本研究で活性が明らかになった経路で、それ以外は他の報告による。排泄物として体内で生じたCO2やNH3はえらにおいて脂質膜やガスチャネルを介して排出されると考えられるが、Na+、Cl- 取り込みの駆動力にもなる。NH4+ は体液側細胞膜(basolateral膜)のK+ channelやNa+/K+-ATPase からも取り込まれる。NHE, Na+/H+ exchanger 3; AE, anion exchanger; NKA, Na+/K+-ATPase。

お問い合わせ先
大学院生命理工学研究科 生体システム専攻 助教 加藤明
TEL 045-924-5726 FAX 045-924-5824
Email akirkato@bio.titech.ac.jp

半導体中を秒速8万mで動きまわる電子を撮影

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要点

  • 半導体材料中の20nmスケールの領域に流れる電子を200フェムト秒間隔で測定
  • 電子が半導体中を秒速約8万mで動きまわる様子の動画撮影に成功
  • 半導体の新しいナノ構造の開拓や未来の新材料開発に貢献

概要

東京工業大学大学院理工学研究科の福本恵紀産学官連携研究員、恩田健流動研究員、腰原伸也教授らは、半導体中を秒速8万mで流れる電子を直接観察し、動画撮影することに成功した。新規レーザーパルス光源と光電子顕微鏡を組み合わせ、電子を20ナノメートル(nm, 1nmは10億分の1m)および200フェムト秒(fs, 1fsは1000兆分の1秒)スケールで可視化できる超高速ストロボ顕微鏡を開発して実現した。

パソコン、携帯電話や太陽電池などに幅広く利用され、必要不可欠となっている半導体材料だが、その動作性能を左右するキャリア(電子)の動きを可視化する手法はなかった。

半導体素子のナノサイズ化が進む中、それにより生じる量子サイズ効果を利用した素子開発(トランジスタ、太陽電池、LED、量子コンピュータ)が注目されている。その電気伝導特性を視覚的に評価できる装置は、 今後の半導体素子開発に大きな影響を与えると期待される。

研究成果は7日に米国の科学誌「アプライド フィジックス レターズ (Applied Physics Letters) 」オンライン速報版で公開された。

論文情報

Direct imaging of electron recombination and transport on a semiconductor surface by femtosecond time-resolved photoemission electron microscopy, Keiki Fukumoto, Yuki Yamada, Ken Onda and Shin-ya Koshihara, Appl. Phys. Lett. 104, 053117 (2014)

DOI: 10.1063/1.4864279outer

図1: 時間分解光電子顕微鏡による電子移動の動画撮影。図2: (a)、(b)、(c)は、異なる電極間の電場勾配(電圧値÷電極間隔)において、電子の移動距離を時間に対してプロット。

図1: 時間分解光電子顕微鏡による電子移動の動画撮影。(a):測定手法の概略。 (b)と(c):励起光照射後20ps及び40ps後の光電子顕微鏡像。 (d)と(e):(b)と(c)の中央付近の拡大図。 (f):(d)と(e)の縦方向の強度プロファイルにより、電子の移動が確認できる。

図2: (a)、(b)、(c)は、異なる電極間の電場勾配(電圧値÷電極間隔)において、電子の移動距離を時間に対してプロット。線形フィットによる傾きから電子の移動速度を算出している。(d)は、電子の移動速度を電場勾配に対してプロット。

お問い合わせ先

大学院理工学研究科 物質科学専攻 産学官連携研究員

福本恵紀

TEL 045-924-5891

Email fukumoto.k.ab@m.titech.ac.jp

新しい規則性を持つペロブスカイト型酸化物超伝導体を発見

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要点

  • 新規ビスマス酸化物超伝導体(Na0.25K0.45)(Ba1.00)3(Bi1.00)4O12を発見した。
  • A-サイトオーダーダブルペロブスカイト型構造における初めての超伝導物質である。
  • 高温超伝導体の探索や超伝導メカニズムの解明の新たな指針となる。

概要

山梨大学クリスタル科学研究センターの熊田伸弘教授、同センター田中 功教授、東京工業大学応用セラミックス研究所の東 正樹教授、広島大学大学院理学研究科の黒岩芳弘教授らの研究グループは、新規ビスマス酸化物超伝導体(Na0.25K0.45)(Ba1.00)3(Bi1.00)4O12を発見しました。この超伝導体はバリウムとナトリウムおよびカリウムが規則的に配列するA-サイトオーダーダブルペロブスカイト型構造であり、高温超伝導体探索およびメカニズムの解明に新たな指針を与えるものです。

この研究成果は、ドイツの科学誌「Angewandte Chemie International Edition(応用化学誌 国際版)」のオンライン版で2月27日(日本時間)に公開されました。

ペロブスカイト型構造

一般式ABO3で表される元素組成を持つ、金属酸化物の代表的な結晶構造。本研究で発見されたA-サイトオーダーダブルペロブスカイトは二つのAサイトを持ち、A‘A‘‘3B4O12で表される。

掲載雑誌名、論文

掲載雑誌
Angewandte Chemie International Edition
表題
“Superconducting double perovskite bismuth oxide (Na0.25K0.45)(Ba1.00)3(Bi1.00)4O12 prepared by a low-temperature hydrothermal reaction”
「低温水熱反応より合成されたビスマス酸化物ダブルペロブスカイト超伝導体 (Na0.25K0.45)(Ba1.00)3(Bi1.00)4O12
DOI

合成された新規超伝導体の磁化率曲線

図1. 合成された新規超伝導体の磁化率曲線。27 Kでの超伝導転移が確認できる。

ペロブスカイト構造とA-サイトオーダーダブルペロブスカイト構造の模式図

図2. ペロブスカイト構造とA-サイトオーダーダブルペロブスカイト構造の模式図。ペロブスカイトは一種類のAサイトを持つが、A-サイトオーダーダブルペロブスカイト構造ではAサイトがA‘とA“サイトの二種類のサイトを持つことで、二倍の周期構造を持つ。本研究で発見された超伝導体では、A'サイトにはナトリウムとカリウム、A“サイトにはバリウムが占有している。

お問い合わせ先
応用セラミックス研究所 教授 東 正樹
Tel: 045-924-5315, Fax: 045-924-5318
Email: mazuma@msl.titech.ac.jp

※3月4日、論文情報を追加いたしました。

鉄系超伝導体の絶縁体親物質が電界により金属状態へ転移

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概要

東京工業大学元素戦略研究センターの細野秀雄教授らの研究グループは、鉄系超伝導体(用語1)物質群の中では唯一のモット絶縁体(用語2)である層状セレン化合物TlFe1.6Se2(Tl:タリウム、Fe:鉄、Se:セレン)に着目し、電気二重層トランジスタ(用語3, 4)構造を利用して、外部電界の印加によって、超伝導現象の予兆とも言える金属に近い状態まで相転移させることに成功した。

今回の結果は、鉄系層状物質で初めて観察された電界誘起相転移である。トランジスタ構造を利用したキャリア生成方法は、一般的な不純物の添加によるキャリア生成とは異なり、自由にかつ広範囲にキャリア濃度を制御できるという特徴がある。従って、元素置換によるキャリア添加が不可能な物質であっても適用が可能であることから、今後の鉄系層状物質のより高い超伝導転移温度を実現する有力な方法になるものと期待される。

この成果は、3月4日(米国時間3日)に「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America)」のオンライン速報版に掲載された。

用語説明

1.鉄系超伝導体

鉄を主成分として含む化合物の中で超伝導転移を示す層状化合物の総称で、超伝導を担う構造としてFeAsまたはFeSe層をもつ。

2.モット絶縁体

電子同士の静電反発が強いことが要因となって、絶縁体の状態(ギャップが開いた状態)になっている物質の総称。

3.トランジスタ

ゲート電極/ゲート絶縁体/半導体の3層構造に代表される電子デバイスで、ゲート電極に電圧を印加することによってゲート絶縁体の電気容量に依存した伝導変調を半導体中に誘起することができる。

4.電気二重層トランジスタ

通常のトランジスタは、ゲート絶縁体として非晶質酸化物などの無機固体化合物が利用されるのに対し、ゲート絶縁体としてイオン性の電解液を使うトランジスタ。1ナノメートル以下の厚さの非常に薄い絶縁層がゲート絶縁体として働くために、非常に大きな電気容量を得ることができる。具体的には、通常の固体無機化合物をゲート絶縁体とした場合よりも2桁高い、最大1015 cm-2に及ぶ伝導キャリアを蓄積できる。

論文名、掲載誌および著者

タイトル
Electric double-layer transistor using layered iron selenide Mott insulator TlFe1.6Se2(和訳:層状鉄セレン化物モット絶縁体を使った電気二重層トランジスタ)
掲載誌
Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America
著者
Takayoshi Katase, Hidenori Hiramatsu, Toshio Kamiya, and Hideo Hosono
DOI

本研究で作製した電気二重層トランジスタの概略図

本研究で作製した電気二重層トランジスタの概略図

お問い合わせ先

応用セラミックス研究所/元素戦略研究センター
准教授 平松秀典
Tel: 045-924-5855
Email: h-hirama@lucid.msl.titech.ac.jp

フロンティア研究機構/元素戦略研究センター
教授 細野 秀雄
Email: hosono@msl.titech.ac.jp

NatureJapanJobsが応用セラミック研究所 岡研吾特任助教、東正樹教授らの研究を紹介

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東京工業大学応用セラミックス研究所の岡研吾特任助教、東正樹教授らによる研究がNatureJapanJobsの特集記事(研究者訪問)にて紹介されました。


岡 研吾 特任助教


東 正樹 教授

こちらの研究成果は本学英文ニュースレター「Tokyo Institute of Technology Bulletin No.33」のRECENT RESEARCHコーナーにて配信したものです。

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