6月18日(水)、第6回ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2014」授賞式が開催され、東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センターの河野行雄准教授が秀賞を受賞しました。
受賞スピーチを行う河野准教授
本学の前身である東京職工学校でも教授をつとめたドイツ人科学者、ゴットフリード・ワグネルにちなんで名付けられたこの賞は、日本を研究開発の拠点として活動しているドイツのグローバル企業11社による2008年から始まったプロジェクトで、日本の若手研究者支援と科学技術振興、そして日独の産学連携ネットワーク構築を目的としています。
受賞理由 「ナノ領域におけるテラヘルツ波センシング・イメージング技術の開発」
カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、半導体ヘテロ構造中2 次元電子ガス(2DEG)によるナノ構造を用いて、CNT/2DEG 複合素子によるテラヘルツ光子検出器、ワンチップ型近接場テラヘルツ撮影素子、グラフェンによる広帯域周波数可変テラヘルツ・赤外分光素子といった検出器や撮影・分光用の素子を新たに開発したことを評価されての受賞です。
今回の受賞に関して、河野准教授は次のようにコメントしています。
「これまで未開拓領域とされてきたテラヘルツ波は、物質・宇宙・生命科学から情報通信・セキュリティ・医療等に至る幅広い分野での応用が期待されています。この電磁波のセンシング・イメージング技術は新しい分野ならではの挑戦的課題が多くあり、その解決には従来技術の延長ではない新規な発想が必要とされます。その分、研究を進めていくやりがいと成功した場合の達成感があります。本学にゆかりのあるドイツ人科学者にちなんで名付けられた賞を受賞でき、大変光栄に思っております。ドイツは日本とともにこの分野で存在感のある国であり、今後は共同研究等を通じて日独の架け橋になるべく研究に邁進したいと思います。お世話になりました共同研究者の皆様、研究室のメンバーに深く感謝申し上げます。」
共催企業代表からトロフィーと目録を受け取る河野准教授(左)
授賞式集合写真 河野准教授(前列最左)