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DNAに基づく方法:メタン発酵の急激な性能低下を予測する指標微生物の特定

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理工学研究科国際開発工学専攻中崎清彦教授らの研究グループはメタン発酵における急激な性能低下の指標微生物、Geobacter属細菌を見いだした。

メタン発酵は複数の微生物が共存する複合微生物の系であるため、発酵装置を安定的に高効率で運転する操作条件を知ることが難しい。

装置性能を高めるために有機物負荷を増加させるメタン発酵の馴養過程で、突然メタンガスが発生しなくなる急激な性能低下がおこることが知られているが、それを予測する方法は確立されていなかった。

メタン発酵の馴養過程で、メタンガス生成速度を定量し、メタン発酵に寄与する微生物群、バクテリアとアーキアの微生物叢変化をDNA解析に基づく方法(PCR-DGGE法)で測定した。

Geobacter属細菌は、アーキアがメタンガスを作るために必要な水素を奪って発酵を阻害する。Geobacter属細菌濃度のモニター結果をもとに、有機物負荷量を調節することで安定的で高効率なメタン発酵が可能になると示唆された。


PCR-DGGE法を用いたメタン発酵過程における細菌叢の経時変化。各レーンの上部にあるSおよび数字は種汚泥と発酵日数に対応。

【論文情報】

Kiyohiko Nakasaki, Sang Hagk Kwon, Hiroki Ikeda
"Identification of microorganisms in the granules generated during methane fermentation of the syrup wastewater produced while canning fruit"
(缶詰工場のシロップ廃液メタン発酵過程におけるグラニュール中微生物の特定)
Process Biochemistry 48, 912 (2013).
DOI: 10.1016/j.procbio.2013.03.011

本件に関するお問い合わせ先: 中崎 清彦 (大学院理工学研究科国際開発工学専攻教授)

その他の研究成果はこちら ⇒ 研究成果一覧


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