2015年12月1日、東工大テニュアトラック教員のオープンシンポジウムが大岡山キャンパス西9号館コラボレーションルームで開催され、学内外から36名の参加がありました。
2011年度から始まった東工大の新テニュアトラック制度は、教員(講師、准教授)を一定の任期(5年)をつけて採用し、その期間内の研究成果と教育成果などが高く評価された場合に、任期の定めのない教員とする雇用形態です。この制度は他国・他大学で多く採用されている助教相当を主対象とした制度とは少し異なる特徴を持っています。
東工大のテニュアトラック制度では、独立した研究者(PI)として研究を進める機会が十分に得られるだけでなく、所属する専攻等のメンターや他の教員との積極的な協調が期待されています。これまでに9名のテニュアトラック教員を採用し、今年度、初代2名の教員のテニュア獲得が決まりました。
各教員の成果を公正に評価することが極めて重要なことから、このシンポジウムは審査・評価等の一機会として毎年開催されています。成果発表は英語で行われますが、教員の出身、多様な専門分野を考慮して、司会進行・質疑応答は、発表者や質問者に合わせ、英語または日本語にて適宜、柔軟に行うことにしています。
今年度は7名のテニュアトラック教員がそれぞれの研究成果について発表しました。有機・高分子物質、機械物理工学、生命情報、数学、基礎物理学など、専門分野は広範囲に渡っており、いずれもこの1年間にかなりの進展があったことを示す内容で、学外参加者からも称賛の言葉をいただきました。
発表者(テニュアトラック教員)
有機・高分子物質専攻 准教授 松本英俊
有機・高分子物質専攻 准教授 早水裕平
機械物理工学専攻 准教授 セリーヌ・ムージュノ
機械物理工学専攻 准教授 葭田貴子
生命情報専攻 講師 小寺正明
数学専攻 准教授 米田剛
基礎物理学専攻 准教授 宗宮健太郎
また、シンポジウム開始にあたり、「日本の大学等機関におけるテニュアトラック制の現状とテニュアトラック普及・定着事業」と題してJST科学技術イノベーション創出基盤構築事業プログラム主管の榎敏明氏より特別講演をいただきました。東工大の今後のテニュアトラック制度の在り方に関して大変参考になるご講演となりました。
最後に、この制度の運営責任者である岡田理事・副学長の挨拶と、総括メンター黒田特命教授および2015年度新規採用のテニュアトラック教員の挨拶で閉会しました。