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白亜紀に形成された超巨大海台 オントン・ジャワ・ヌイ仮説を支持する新発見

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要点

  • 太平洋に存在する白亜紀に形成された三つの巨大海台[用語1]が、もとは一つの超巨大海台であったとするオントン・ジャワ・ヌイ仮説を検証するために、三海台の接合部と考えられるところから採取された火山岩の分析を実施。
  • これまで仮説の妨げとなっていた三海台の年代と化学組成のギャップを埋める火山岩を世界で初めて発見し、一つの超巨大海台が存在した証拠を提示。
  • また超巨大海台がマントル最下層からのマントルプルーム[用語2]の活動により形成されたことを解明。

概要

東京工業大学 理学院 地球惑星科学系の石川晃准教授は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)海域地震火山部門火山・地球内部研究センターのテハダ研究員ら、国立科学博物館、千葉大学、米国オレゴン州立大学の研究者と共同で、現在太平洋上に独立して存在するオントン・ジャワ海台、マニヒキ海台、ヒクランギ海台がかつては一つの超巨大海台だったとする「オントン・ジャワ・ヌイ仮説」を裏付ける証拠を発見しました。

白亜紀は巨大海台を形成するような大規模火成活動[用語3]が活発だった時期です。その中でも約1億2,000万年前に誕生したオントン・ジャワ海台は地球上最大の海台として知られていますが、現在は数千km離れた位置にあるマニヒキ海台とヒクランギ海台とかつては一体で、超巨大海台オントン・ジャワ・ヌイを形成していたとする仮説が2006年に提唱されていました。この仮説は主にプレート運動の復元に基づいて立てられましたが、三海台の間に年代値と化学組成のギャップがあることが問題となっていました。この仮説を検証するために、三海台の接合部と考えられるオントン・ジャワ海台の東端付近で、2016年に深海調査研究船「かいれい」による調査が行われました。採取された火山岩の年代測定と化学分析を行った結果、三海台の間にあった年代値と化学組成のギャップを埋めるような火山岩が初めて見つかりました。このことは、三海台のマグマの起源や噴出時期が共通することを意味し、超巨大海台オントン・ジャワ・ヌイの存在を示す証拠となります。また、オントン・ジャワ・ヌイにおける火山岩の化学組成の分布に基づき、マントル最下層から上昇したマントルプルームの活動により、この超巨大海台が形成されたとするモデルを提唱しました。

白亜紀の大規模火成活動は当時の地球温暖化の主な原因とされ、海洋無酸素事変による生物大量絶滅の引き金になったとも考えられています。本研究は、地球規模で起きた大規模火成活動の実態を明らかにしたことに加えて、地球内部に起因する地球表層環境の変動を解明するためにも、重要な成果と言えます。

本研究は、科学研究費補助金(26302010及び18H03746)を用いて行われました。

本成果は、「Scientific Reports」に5月25日付(日本時間)で掲載されました。

図1. 現在は互いに数千km離れているオントン・ジャワ海台、マニヒキ海台、ヒクランギ海台の三海台はもとは一体であり、マントルプルームが引き起こす大規模火成活動により形成された超巨大海台であったとする証拠が得られた。
図1.
現在は互いに数千km離れているオントン・ジャワ海台、マニヒキ海台、ヒクランギ海台の三海台はもとは一体であり、マントルプルームが引き起こす大規模火成活動により形成された超巨大海台であったとする証拠が得られた。

背景

太平洋には巨大海台と呼ばれる地形が複数存在していますが、その多くは白亜紀に起きた大規模火成活動により形成されたと考えられています(図2)。その中でも西太平洋赤道付近に位置するオントン・ジャワ海台は現存する地球上最大の海台であり、その面積は約200万km2と広大です。火成活動でできた地殻も厚いところでは約40 kmと普通の海洋地殻の厚さ(約7 km)をはるかに上回り、きわめて大規模な火成活動が海底下で起こったことが分かってきました。(2021年6月1日 東工大ニュース参照:「地球上最大の巨大海台はなぜできたか?」

このオントン・ジャワ海台については、その誕生時には今知られている以上に巨大であったとする仮説が2006年にTaylorにより提唱され、その後2012年にChandlerらによりオントン・ジャワ・ヌイ仮説と名付けられてその検証が進められました(「ヌイ(Nui)」とはポリネシア諸語で「大きい」という意味)。彼らは、主として海底地形の特徴やプレート運動の復元に基づき、現在は数千km離れているマニヒキ海台やヒクランギ海台もオントン・ジャワ海台とかつては一体であったと考えました。すなわち、超巨大海台であるオントン・ジャワ・ヌイが南太平洋で形成された後、プレート境界の形成とその後の拡大によって三海台は引き離されて現在の位置まで移動したとするものです。

しかし、この仮説にはいくつかの問題点が指摘されていました。その一つは、ヒクランギ海台が他の二つの海台に比べて数百万年以上若い形成年代を示すことです。また、マニヒキ海台では異なる化学組成を持つ2種類のタイプの火山岩が確認されていますが、そのうちの片方のタイプがオントン・ジャワ海台やヒクランギ海台では見られないことも、オントン・ジャワ・ヌイ仮説とつじつまが合わない問題となっていました。

図2. 太平洋に存在する巨大海台。aは現在の配置。オントン・ジャワ海台(OJP)、マニヒキ海台(MP)、ヒクランギ海台(HP)は互いに数千km離れている。bとcは過去の海台の位置を復元したモデル。Larson(1991)のモデルではマニヒキ海台とヒクランギ海台が一体であった可能性を示唆したが、Taylor(2006)やChandlerら(2012)はさらにOJPも一体であったとする仮説を提唱した。その他、ナウル海盆(NB)、東マリアナ海盆(EMB)、ピガフェッタ海盆(PB)、マジェラン海台(MR)の形成とも関連した可能性がある。
図2.
太平洋に存在する巨大海台。aは現在の配置。オントン・ジャワ海台(OJP)、マニヒキ海台(MP)、ヒクランギ海台(HP)は互いに数千km離れている。bとcは過去の海台の位置を復元したモデル。Larson(1991)のモデルではマニヒキ海台とヒクランギ海台が一体であった可能性を示唆したが、Taylor(2006)やChandlerら(2012)はさらにOJPも一体であったとする仮説を提唱した。その他、ナウル海盆(NB)、東マリアナ海盆(EMB)、ピガフェッタ海盆(PB)、マジェラン海台(MR)の形成とも関連した可能性がある。

オントン・ジャワ海台は大部分が海底にあり、しかも厚く堆積物に覆われているため、必ずしも調査が進んでいません。この海台が初めて調査されたのは、ソロモン諸島等で海台の南端が一部陸上に露出しているところでした。その後、High Plateauと呼ばれるオントン・ジャワ海台の中心部で海洋掘削による調査が行われ、JAMSTECでも海台西側の海底崖や海台中心部に位置する小海山など堆積物の被覆が薄く火山岩が露出している箇所を探して調査してきました。そのような場所の一つとして、オントン・ジャワ海台の東寄りにあるEastern Salientにある海山群を調査する目的で、2016年に深海調査研究船「かいれい」による調査航海が実施されました(図3)。この場所は、オントン・ジャワ・ヌイ仮説が正しいとすると三海台の接合部にあたります(図2)。Eastern Salientはこれまでほとんど調査がされてなく、High Plateauなどオントン・ジャワ海台主要部からは位置的に離れているため、それらとは異なる火山岩が見つかる可能性が期待されました。

図3. オントン・ジャワ海台とEastern Salientの海域図。a: オントン・ジャワ海台は中心部のHigh Plateauと、Eastern Salient(東突出部)と呼ばれる部分からなる。これまで複数の海底掘削による調査が行われてきたが(青丸)、その多くはHigh Plateauで行われた。b:「かいれい」による調査海域(aの赤四角)。赤星はドレッジにより岩石採取を行った地点。c,d: 海底地形の断面図(bの黄色い点線に沿った線上)。ドレッジを行った深度を青線で、そこから得られた岩石の年代値を数値で示す(Maは百万年)。
図3.
オントン・ジャワ海台とEastern Salientの海域図。a: オントン・ジャワ海台は中心部のHigh Plateauと、Eastern Salient(東突出部)と呼ばれる部分からなる。これまで複数の海底掘削による調査が行われてきたが(青丸)、その多くはHigh Plateauで行われた。b:「かいれい」による調査海域(aの赤四角)。赤星はドレッジにより岩石採取を行った地点。c,d: 海底地形の断面図(bの黄色い点線に沿った線上)。ドレッジを行った深度を青線で、そこから得られた岩石の年代値を数値で示す(Maは百万年)。

研究成果

本航海で実施された地形と構造の調査から、Eastern Salientの海山群は火山活動によってできた線状に伸びた火山体の上に、それよりも若い火山活動によって作られた海山が乗ってできた地形であることが推定されました(図3)。航海後に、採取された試料の40Ar/39Ar年代測定[用語4]を行ったところ、線状の火山体の部分は1億1,600万年前以降に形成されたものであることが分かりました(図4)。特に、1億1,600万年という年代値は、いままで知られていたオントン・ジャワ海台やマニヒキ海台の主要部の年代より数百万年若く、ヒクランギ海台の主要部やマニヒキ海台の一部に見られるやや若い年代を示す火山岩と活動時期が重なることが分かりました。

図4. オントン・ジャワ海台、マニヒキ海台、ヒクランギ海台の岩石の年代値。縦軸の単位は百万年(Ma)。オントン・ジャワ海台は、一部の若い年代値を示す岩石を除くと、約123Ma(1.23億年)に年代値が集中する。これはマニヒキ海台の古いほうのグループと年代が一致する。一方、マニヒキ海台の若いほうのグループとヒクランギ海台の岩石は123Maより有意に若い年代を示すが、これらと重なる年代値を持つ岩石がオントン・ジャワ海台のEastern Salientから見つかった(赤丸)。なお、オントン・ジャワ海台に見られる約90Ma以降の岩石は、約123Maの岩石に比べて量的には少ないため小規模の活動によるものと考えられているが、Eastern Salientでも同様の年代を持つ岩石が存在する。
図4.
オントン・ジャワ海台、マニヒキ海台、ヒクランギ海台の岩石の年代値。縦軸の単位は百万年(Ma)。オントン・ジャワ海台は、一部の若い年代値を示す岩石を除くと、約123Ma(1.23億年)に年代値が集中する。これはマニヒキ海台の古いほうのグループと年代が一致する。一方、マニヒキ海台の若いほうのグループとヒクランギ海台の岩石は123Maより有意に若い年代を示すが、これらと重なる年代値を持つ岩石がオントン・ジャワ海台のEastern Salientから見つかった(赤丸)。なお、オントン・ジャワ海台に見られる約90Ma以降の岩石は、約123Maの岩石に比べて量的には少ないため小規模の活動によるものと考えられているが、Eastern Salientでも同様の年代を持つ岩石が存在する。

また、Eastern Salientから採取された火山岩の大部分は、High Plateauなどオントン・ジャワ海台主要部の火山岩とは異なる化学組成を示していました(図5)。マニヒキ海台に見られる2種類のタイプの火山岩のうち、これまでオントン・ジャワ海台では片方のタイプしか見つかっていませんでしたが、今回見つかった火山岩は、もう一つのタイプと同じ化学組成のものでした。従って、オントン・ジャワ海台、マニヒキ海台、ヒクランギ海台は、共通するマグマから一連の噴火活動により形成されたと言えます。

図5. 鉛同位体比を示した組成図。マニヒキ海台(四角)には206Pb/204Pb比が18.7より低いグループと高いグループの2種類の岩石が存在する一方、オントン・ジャワ海台(灰色の領域)とヒクランギ海台(ひし形)からは206Pb/204Pb比が18.7より低い岩石しか見つかっていなかった。「かいれい」による航海でEastern Salientから採取された岩石(赤丸)は206Pb/204Pb比が18.7より高く、マニヒキ海台の岩石との共通性が示された。三海台を合わせたオントン・ジャワ・ヌイでは、マントルを構成する4つの成分がマグマの生成に関わっていることが明らかとなった。その4つの成分とは、始原的なマントル物質(オントン・ジャワ海台のクワインバイタタイプと呼ばれる岩石に相当)、マントルに沈み込んだ古い大陸下部地殻物質(同シンガロタイプと呼ばれる岩石に相当)、マントルに沈み込んだ古い海洋地殻物質(HIMUと呼ばれる。マニヒキ海台に見られる206Pb/204Pb比が高い岩石に相当)、不均質な下部マントルの混合物(FOZOと呼ばれる。Eastern Salientやルイビル海山に相当)である。なお、白抜きの赤丸は変質を受けた岩石のため、議論からは除外。
図5.
鉛同位体比を示した組成図。マニヒキ海台(四角)には206Pb/204Pb比が18.7より低いグループと高いグループの2種類の岩石が存在する一方、オントン・ジャワ海台(灰色の領域)とヒクランギ海台(ひし形)からは206Pb/204Pb比が18.7より低い岩石しか見つかっていなかった。「かいれい」による航海でEastern Salientから採取された岩石(赤丸)は206Pb/204Pb比が18.7より高く、マニヒキ海台の岩石との共通性が示された。三海台を合わせたオントン・ジャワ・ヌイでは、マントルを構成する4つの成分がマグマの生成に関わっていることが明らかとなった。その4つの成分とは、始原的なマントル物質(オントン・ジャワ海台のクワインバイタタイプと呼ばれる岩石に相当)、マントルに沈み込んだ古い大陸下部地殻物質(同シンガロタイプと呼ばれる岩石に相当)、マントルに沈み込んだ古い海洋地殻物質(HIMUと呼ばれる。マニヒキ海台に見られる206Pb/204Pb比が高い岩石に相当)、不均質な下部マントルの混合物(FOZOと呼ばれる。Eastern Salientやルイビル海山に相当)である。なお、白抜きの赤丸は変質を受けた岩石のため、議論からは除外。

以上のように火山岩の分析から、オントン・ジャワ・ヌイ仮説の弱点とされていた年代と化学組成のギャップが埋まり、仮説の正しさを示す証拠が得られました。これまで、オントン・ジャワ海台ではその体積が約5,700万km3と推定されていましたが、オントン・ジャワ・ヌイだと約9,000万km3となり、きわめて大規模な火成活動が起きたことになります。また、ルイビル海山列はオントン・ジャワ海台を生み出したマントルプルームがその後継続的に活動して形成した火山列であるとする説がありましたが、Eastern Salientとルイビル海山列の火山岩の組成が類似していることからこの説を支持する証拠が得られたことになり、マントルプルームの活動が小規模ながら長期間続いていたことが示されました。

また、三海台を合わせてその化学組成を解析すると、オントン・ジャワ・ヌイを形成したマグマはマントルを構成する複数の異なる物質が混合してできたことが分かりました(図5)。具体的には、地球が形成した頃から存在するマントル物質(始原的なマントル物質)に加えて、かつては地球表層にあった地殻物質がプレートの沈み込みによってマントル深部に運搬された物質が含まれていました。更には、マントルの最下部には、地震波トモグラフィーによって発見された地震波低速度領域[用語5]が存在することから、この領域の外にはもう一つの異なるマントル物質(平均的なマントル物質)があると考えられていますが、この物質も含まれていました(図6)。このようにオントン・ジャワ・ヌイのマグマに深部起原を含む複数の物質が含まれていることは、マントル最下部から上昇した巨大なマントルプルームにより超巨大海台が形成されたことを示唆するものです。

図6. マントル最下層から上昇したマントルプルームによって形成されたオントン・ジャワ・ヌイ。オントン・ジャワ・ヌイには4つのマントル物質がマグマの生成に関与しているが、オントン・ジャワ海台とヒクランギ海台では始原的なマントル物質の割合が多いのに対して、マニヒキ海台では平均的なマントル物質の割合が多いため(図4)、マントルプルームは下部マントルの物質境界の付近から上昇していると考えられる。そのような物質境界として南太平洋下に地震波低速度領域(LLSVP)が存在することが知られている。
図6.
マントル最下層から上昇したマントルプルームによって形成されたオントン・ジャワ・ヌイ。オントン・ジャワ・ヌイには4つのマントル物質がマグマの生成に関与しているが、オントン・ジャワ海台とヒクランギ海台では始原的なマントル物質の割合が多いのに対して、マニヒキ海台では平均的なマントル物質の割合が多いため(図4)、マントルプルームは下部マントルの物質境界の付近から上昇していると考えられる。そのような物質境界として南太平洋下に地震波低速度領域(LLSVP)が存在することが知られている。

今後の展望

白亜紀には巨大海台を形成するような大規模火成活動が繰り返し起きたことが、太平洋に分布する巨大海台の研究から分かってきました。地球内部から地球表層環境へ供給された二酸化炭素等の火山ガスは、当時の地球温暖化の要因ともされ、海洋無酸素事変による生物大量絶滅の引き金になったとも考えられています。特に、海底で起きる火山活動は火山ガスの成分を直接海水に供給するため、海洋酸性化など環境への影響が大きかったと考えられます。

実際に地球内部から地球表層環境へ供給された火山ガス成分の影響を評価するためには、マグマの総量に加えて噴出レートが重要になってきます。本研究から、オントン・ジャワ・ヌイが形成された約1億2,000万年前後には、これまで想定されていたよりも大量のマグマが噴出していたことが示されました。しかし、噴出レート(単位時間あたりの噴出量)を推定するためには、噴出年代についてより詳しく調べる必要があります。この問題にアプローチするため、本論文の研究者を含む研究チームではEastern Salient周辺における将来的な海洋掘削を提案しています。本研究の成果はこの掘削提案を推進するための大きな動機付けとなり、現在みられる噴火とは桁違いに大きかった火山活動の全貌や、そのような活動が地球表層環境に与えた影響を解明することにつながっていくと期待されます。

用語説明

[用語1] 海台 : 海洋底にある頂部が平坦な台地で、広さが100 km2以上あり周囲の海底から200 m以上隆起している地形。

[用語2] マントルプルーム : マントルの高温部分から発生する上昇流。マントル規模の熱対流に起因し、年数cm程度の速さで上昇した後リソスフェアの下(マントル上部)でマグマを発生させる。

[用語3] 火成活動 : マグマは地表に出ると火山岩をつくり、地下深いところで固まると深成岩をつくる。このようなマグマの活動全般を火成活動という。火山活動なども含まれる。

[用語4] 40Ar/39Ar年代測定 : 40Kが半減期約12.5億年で40Arに放射壊変することを利用したカリウム―アルゴン年代測定を発展させ、信頼性を高めた年代測定法。試料に中性子照射することにより、39Kの一部を39Arに変換し、40Arと39Arの比を測定して年代値を求める。

[用語5] 地震波低速度領域 : Large low-shear-velocity provinces(LLSVP)と呼ばれ、マントル最下層に存在する周囲より地震波速度が遅い領域。地震波の到達時間や波形から地球内部の3次元地震波速度構造を求める手法である地震波トモグラフィーにより発見された。地震波速度のちがいは周囲との温度差だけでは説明できず、物質境界になっていると考えられている。南太平洋とアフリカの下のマントル最下層に存在することが知られている。

論文情報

掲載誌 :
Scientific Reports
論文タイトル :
New evidence for the Ontong Java Nui hypothesis
著者 :
MLG Tejada1、佐野貴司2、羽生毅1、AAP Koppers3、中西正男4、宮崎隆1、石川晃5、谷健一郎2、清水祥伽6、清水健二7、B Vaglarov1、常青1
所属 :
1. 海洋研究開発機構海域地震火山部門、2. 国立科学博物館地学研究部、3. オレゴン州立大学地球海洋大気科学科、4. 千葉大学大学院理学研究院、5. 東京工業大学理学院地球惑星科学系、6. 千葉大学大学院融合理工学府、7. 海洋研究開発機構高知コア研究所
DOI :

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東京工業大学 理学院 地球惑星科学系

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