大学院理工学研究科 電子物理工学専攻中川研究室の高村陽太助教が、高柳健次郎財団の2014年度研究奨励賞を受賞しました。この賞は、電子科学技術の分野で将来性のある独創的な研究開発テーマに取り組んでいる研究者に贈られるものです。
受賞研究課題
垂直磁化MRAM用高スピン偏極率フルホイスラー合金薄膜の開発
PCやタブレット端末・スマートフォン等の次世代メインメモリとして、電源を切っても情報を失わず、消費電力を削減できる可能性のある垂直磁化型磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)の実現が期待されています。今回受賞した研究課題は、このMRAMの実現に向け、片方のスピンを持つ電子しか電気伝導に寄与しないフルホイスラー合金(Co2FeSiやCo2MnSi)の磁化の向きを膜垂直方向で安定化(垂直磁気異方性)させることを目的としたものです。
高村助教は、フルホイスラー合金と非磁性材料との界面に生じる磁気特性に着目し、Co2FeSiに対してはMgO接合構造、Co2MnSiに対してはPd(パラジウム)との人工格子構造を作製し、それぞれ垂直磁気異方性を付与することに成功しました。
高村陽太助教のコメント
このような伝統ある賞をいただくことになり大変光栄に感じております。これからますます、研究道に精進して参ります。