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石曽根隆教授が「2021年度高分子学会賞」を受賞

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東京工業大学物質理工学院 応用化学系の石曽根隆教授が2021年度高分子学会賞(科学)を受賞しました。5月26日、オンラインで開催された第71回高分子学会年次大会において受賞講演が行われました。公益社団法人高分子学会は、高分子に関する科学および技術の基礎的研究およびその実際的応用の進歩、学術文化の発展並びにそれらを担う人材の育成を図り、もって社会の発展に寄与することを目的として1951年に設立された、会員数10,000名を超える学術団体です。同学会によると、高分子学会賞は、「我が国の高分子科学および技術の進歩をはかるため、高分子科学、技術に関する独創的かつ優れた業績を挙げた会員を対象に、その功労を顕彰すること」を目的に制定されました。

今回の受賞対象となった研究題目は、「新規モノマー類のリビングアニオン重合による機能性高分子の合成」です。アニオン重合は、熱可塑性エラストマーやスチレン-ブタジエンゴムなど重要な高分子の工業的な製造にも利用されていますが、利用可能なモノマーには、これまで大きな制限がありました。今回の受賞対象の研究により、様々な官能基をもつモノマー類のリビングアニオン重合が実現でき、機能性高分子の分子設計の可能性が大きく広がったことが評価されました。

石曽根隆教授のコメント

石曽根隆教授
石曽根隆教授

このたび、公益社団法人高分子学会の高分子学会賞(科学)を受賞いたしました。私は、高分子合成、特にアニオン重合に関する研究を続けてきました。これまで図に示した多岐にわたる新しいモノマー類を合成し、その反応性、重合性を詳しく検証してきたことが評価されました。
従来はアニオン種との副反応が容易に起こることが危惧されていたモノマー類でも、保護基や電子求引性基の導入、有効な共役系の導入などの分子設計、さらには重合条件の最適化を行うことで、リビングアニオン重合が達成され、設計通りの分子量と狭い分子量分布をもつポリマーに変換できることを見出してきました。得られたポリマーは、その分子構造に従って、水溶性、温度応答性、架橋性、反応性、高いガラス転移温度などの様々な機能を示し、新たな高分子材料として興味が持たれます。

最近では、高分子合成において残された重要課題である定序性高分子の合成にも、非重合性ビニル化合物のリビングアニオン付加反応を用いることで挑戦しています。
今回の受賞内容の研究は、研究室の学生諸君、同僚の先生方、国内外の共同研究先の皆さんの協力と応援があって進めることができました。ここに心より感謝申し上げます。

リビングアニオン重合が達成された新規モノマー類

リビングアニオン重合が達成された新規モノマー類

物質理工学院

物質理工学院 ―理学系と工学系、2つの分野を包括―
2016年4月に発足した物質理工学院について紹介します。

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学院・系及びリベラルアーツ研究教育院outer

お問い合わせ先

物質理工学院 応用化学系
教授 石曽根隆

E-mail : ishizone.t.aa@m.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2138


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