要 点
- 多細胞生物の形態形成を、光のON/OFFで時空間制御することが可能に
- 今まで解析が困難であった神経発生や代謝調節などに関わる遺伝子の解析が容易に
概要
東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センター兼地球生命研究所の増田真二准教授、生命理工学研究科の田中幹子准教授らは、遺伝子発現を光で自在に調節する新技術「ピッコロ(PICCORO)」を開発し、ゼブラフィッシュの尻尾の形成を光のON/OFFで制御することに成功した。この技術により、今まで解析が困難だった神経発生や代謝調節などに関わる遺伝子の解析が飛躍的に進むと期待される。
増田准教授らが開発したピッコロは、細菌由来の光受容体タンパク質を、任意の転写因子タンパク質と光依存的に相互作用させ、その転写因子タンパク質が調節する遺伝子発現を、光で自在に制御する方法である。
遺伝子発現を人工的に制御する技術は、さまざまな生命科学の研究に必須だが、現在、広く使われている薬剤や熱処理に依存した方法では、一度ONにした遺伝子発現をOFFにすることや局所的に発現を誘導することが難しい点が問題だった。
この研究成果は米国化学会誌ACS Chemical Biology(エーシーエス ケミカルバイオロジー)誌のオンライン版に9月24日付けで発表された。
詳細はこちら ⇒ http://www.titech.ac.jp/file/pr20130925_masuda.pdf
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