東京工業大学の安藤真名誉教授が6月1日の電波の日に第70回「電波の日」総務大臣表彰を受賞しました。
総務省によると、電波の日は1950年に電波法が施行され、電波の利用が広く国民に開放されたことを記念する日です。電波利用または情報通信の発展に貢献した個人および団体を毎年、電波の日に表彰しています。例年6月1日に開催される記念中央式典で表彰式を行っていますが、本年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、式典を取りやめました。
総務省が発表した安藤名誉教授の「功績の概要」は次の通りです。
- 安藤真 東京工業大学名誉教授
- 「ミリ波をはじめとする高周波無線技術の発展に長年にわたり寄与するとともに、情報通信審議会委員や陸上無線通信委員会主査等として、我が国の電波利用の高度化に尽力し、電波行政の発展に多大な貢献をした」
安藤真名誉教授のコメント
この度、「電波の日」総務大臣表彰を頂き、大変光栄に存じます。
2018年に東京工業大学を退職するまで40年程「電波」に関わる教育、研究そして社会貢献に携わりました。
受賞対象である「ミリ波をはじめとする高周波無線技術への寄与」は、学部卒業研究以来続けている高周波回折理論や、2016年まで約10年間実施した「ミリ波帯アクセスネットワークの研究開発(ワイヤレスファイバープロジェクト)」など、本学で推進した電波の研究を評価頂いた感があります。話題となった「はやぶさ2(宇宙航空研究開発機構 (JAXA) で開発された小惑星探査機)」でも、本学後藤尚久名誉教授の発明によるミリ波帯の円形平面アンテナが2つ搭載され、ミッションの遠距離高速通信を一手に担っています。帰還が楽しみです。
次に「電波行政施策や標準化への社会貢献」では、情報通信審議会などの事務局員や専門委員など、さらに、社会実装の主役である産業界の皆様も含めたチームに対する栄誉と考えております。
これらの活動を協働、支援頂いた関係各位に厚く御礼申し上げます。
国内外の学会の運営を経験し、国連の持続ある開発目標、我が国のソサイエティ5.0への電波科学の貢献も模索してきました。気候変動、地震、ウィルス感染などの天変地異を立て続けに経験し、特に持続社会の実現へ向けて、電波が何をできるかを自問しながら、今後も電波科学の発展に尽力して参ります。
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