公益社団法人 新化学技術推進協会(JACI)は5月25日、第19回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞(略称GSC賞)奨励賞を東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の本倉健准教授に贈ると発表しました。
GSC賞奨励賞はグリーン・サステイナブル ケミストリーの推進において将来の展開が期待できる業績に対して贈られます。本倉准教授は「固体表面の多機能触媒作用による環境調和型ファインケミカルズ合成」により受賞しました。
新化学技術推進協会によると、同協会は、化学技術イノベーションに関する公共性の高い事業の推進を目的として活動しています。同協会はグリーン・サステイナブル ケミストリーを「人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学」と定義しています。日本におけるグリーン・サステイナブル ケミストリーの活動を効果的かつ強力に推進するために、グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク会議(GSCN会議)が同協会の中で活動し、GSC賞の表彰を行っています。
本倉健准教授のコメント
GSCとは、人と環境にやさしく、持続可能な社会の発展を支える化学と定義されています。化学反応を制御・加速するための高性能触媒の開発は、持続可能な物質生産を支えるために極めて重要です。私の研究では医薬品・高分子・機能性材料の前駆体となるファインケミカルズの合成において、複数の活性点を集積した固定化触媒が高い活性・選択性を示すことを見出しました。合成プロセスにおける省エネルギー化、貴金属使用量の低減、さらにはCO2等の多様な資源の活用につながる発見であると考えています。
今回の受賞に際して、これまでにご指導いただいた先生方と共同研究者の皆様、一緒に研究を進めてきた研究室の同僚・学生の皆様に、深く感謝いたします。GSCの目指す持続可能な社会の構築に貢献するために、触媒研究に邁進していきたいと思います。
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