外国語研究教育センターの劉岸偉教授が、第1回「寺田真理記念 日本研究賞」の特別賞を受賞しました。
日本研究賞は、日本に対する理解増進のため、内外の優れた日本関係研究を顕彰し、奨励することを目的として、公益財団法人 国家基本問題研究所が設立し、受賞資格者は原則、若手か中堅の外国人の日本研究者で、対象作品は、ここ5年の間に刊行された著書とされています。
受賞著書:周作人伝 ある知日派文人の精神史
劉岸偉教授
今回の受賞を受けて、劉教授は次のようにコメントしています。
「この度拙著『周作人伝ーある知日派文人の精神史』は国家基本問題研究所の「寺田真理記念・日本研究特別賞」に選ばれてまことに嬉しい。地味な研究書ともいうべき拙著の受賞は、これから日本研究に取りくむ後輩たちの大きな励ましとなるでしょう。かつて中国人の日本研究の遅れを一喝した戴季陶先生の批判を忘れず、時勢に流されることなく、しっかりと自分の目と足で研究活動を続けていく所存です。東工大・北京清華大との合同養成プログラムにも参加し、未来を担う両校の英才の教育に微力を尽くしていきたい。日頃の地道な教育、研究を通じて、中日間の意思疎通に少しでもお役に立てばと念じております。来日して三十年、いつかこの生活体験をふまえて、小泉八雲の『日本ー 一つの解明』の如き著書が書けたらいいなあ、と空想しているこの頃です。」
なお、「周作人伝 ある知日派文人の精神史」は第25回和辻哲郎文化賞も受賞しています。