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平成30年度「大隅良典基礎研究支援」授与式を開催 大隅良典記念基金による初めての基礎研究支援

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平成30年度「大隅良典基礎研究支援」授与式が1月25日、すずかけ台キャンパス大学会館にて行われました。

1月25日の欠席者に対し、2月1日に学長室にて授賞式を行いました。

支援採択者との記念撮影(1月25日)

支援採択者との記念撮影(1月25日)
(前列左から太田健二准教授、渡辺治理事・副学長(研究担当)、大隅栄誉教授、益一哉学長、水瀬賢太准教授。後列左から吉田啓亮助教、相川清隆准教授、家永紘一郎助教)

支援採択者との記念撮影(2月1日)

支援採択者との記念撮影(2月1日)
(左から益学長、平原徹准教授、渡辺理事・副学長(研究担当))

「大隅良典基礎研究支援」は、累計3億円近くのご支援をいただいている「大隅良典記念基金」を原資にしています。本支援は長期的な視点が必要な基礎研究分野における若手研究者支援を目的として研究費の支援を行うもので、2018年9月に立ち上げられました。

大隅良典基礎研究支援の概要

対象

以下の1、2の条件を両方満たす研究提案であること。

1.
本学に雇用されている教員、特任教員、研究員で、平成30年4月1日現在に40 歳未満で、以下の要件を満たす者が原則として単独で行う研究であること(予算措置を伴わない研究協力者との共同研究は可とする。その他条件あり)。
2.
研究の性格が基礎研究であること。
研究支援期間
原則支援開始日より1年間。
ただし、研究計画によっては2年間の計画申請まで可能。
支援申請額
1件あたり250万円まで。
ただし、支援金額は審査により決定し、また提案内容に応じて別途考慮することがある。

平成30年度は38名の応募があり、6名が支援採択者として選考されました。

平成30年度「大隅良典基礎研究支援」授与者一覧

所属
職名
氏名
研究課題
キーワード
理学院
物理学系
准教授
相川 清隆
真空中の単一ナノ粒子を用いた量子状態の生成
巨視的なレベルでも量子状態が存在するのかの探求
理学院
物理学系
助教
家永紘一郎
2次元超伝導薄膜の極低温下熱応答測定による渦糸ボース凝縮の検出
渦糸ボース凝縮発見への挑戦
理学院
物理学系
准教授
平原徹
単層FeSeの超伝導特性の基板表面依存性:高温超伝導の起源解明に向けて
高温超伝導の起源解明への挑戦
理学院
化学系
助教
水瀬賢太
分子動画撮影に基づくシュレーディンガー方程式に対する実験的解法の開発
波動関数を見る
理学院
地球惑星科学系
准教授
太田健二
X線CT技術を用いた地球中心圧力までの鉄の融点決定
地球の中心温度の解明への挑戦
科学技術創成研究院
化学生命科学研究所
助教
吉田啓亮
光合成を抑制するタンパク質酸化メカニズムの解明
光合成機能を夜に抑制するしくみ

授与式は記者を交えて開催され、支援採択者に対して益学長から支援採択通知書が手交されました。また、益学長より本学の基礎研究支援の取り組みについて説明した後、大隅栄誉教授より、社会が基礎科学を支える重要性についてお話がありました。

大隅栄誉教授メッセージ

若手研究者への期待を述べる大隅栄誉教授
若手研究者への期待を述べる大隅栄誉教授

まずは、採択された6人の方おめでとうございます。いくつかお話をさせていただきます。1つはこの基金(大隅良典記念基金)の経緯なんですが、私はノーベル賞の賞金をもとに、大学がとってもヘテロな(異なる)人たちの集団であってほしいと思い、高校生の東工大入学者の支援をしようということからスタートしました。前学長である三島先生、益先生のご意向で若手の基礎研究の支援をこの基金でやろうということになったのが、今日の(大隅良典基礎研究支援の)最初の取り組みでありました。先ほども益学長からお話があったように、この基金にはたくさんの寄附をいただいている、とりわけ東工大の卒業生がこの基金に寄附いただいて、当初の額から3倍ほどになったというのが現在です。私はこれまでずっと、基礎科学は国が支えるもんだと思ってまいりましたが、海外でも人間の歴史を考えてみても社会全体が支えてきたものだという気がしていて、こういう基金のような形で研究が支えられるというのはこれからの1つの方向性なんだろうと思っています。

2つ目は、若い人たちが元気でないとこの国は亡びるよと言い続けていて、若い人たちが伸びやかに自分の好きなことをやり続けて欲しいと思っています。これで全てを支援できるわけではありませんが、第一歩としてこういう助成が設立されたのは、東工大の中でもとっても素晴らしい試みだろうと思っています。先ほどの懇談会で、(採択者に)自分のやりたいことを明確に表明していただいて、とっても嬉しく思いました。私は先月、中国の深圳(シンセン)に行く機会がありました。深圳はご存知のように、「世界のミラクル」と中国では特に言われている地域で、40年前には(常住)人口が30万人だったのが、今では1,250万人になったんですね。その平均年齢がなんと33歳なんです。ものすごい勢いで若い人たちが結集して研究に励んでいる、まぁ隣の国がそういう状況だということを私たちも十分に考えておかないといけません。若い人たちが十分に研究できる環境を作らないといけないし、若い人には何が何でも頑張ってほしいなぁと思います。

授与式に先立ち、支援採択者と益学長、渡辺理事・副学長(研究担当)等の審査委員、大隅栄誉教授を交えた懇談会が開催され、活発な意見交換がなされました。

懇談会の様子

懇談会の様子

東京工業大学は、今後も日本の礎となる基礎研究に対する支援を続けていきます。

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お問い合わせ先

研究企画第1グループ

E-mail : kenkik.kik1@jim.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-7688


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