科学技術創成研究院 全固体電池研究ユニットの菅野了次教授が、第18回山﨑貞一賞を受賞することが決定しました。
山﨑貞一賞(正式名称:一般財団法人材料科学技術振興財団山﨑貞一賞)は、科学技術水準の向上とその普及啓発に寄与することを目的とし、同財団の初代理事長を務めた故山﨑貞一氏の科学技術および産業の発展に対する功績、人材の育成に対しての貢献を記念して創設された賞です。「材料」、「半導体及び半導体装置」、「計測評価」、「バイオサイエンス・バイオテクノロジー」の4分野において、論文の発表、特許の取得、方法・技術の開発等を通じて、実用化につながる優れた創造的業績をあげている方が授賞対象となっています。
この度の菅野教授の受賞は、材料分野となり、「新規リチウムイオン伝導体の創成と全固体電池の開発」に対するものです。
贈呈式は、2018年11月21日(水)に日本学士院で行われる予定です。
菅野教授のコメント
歴史ある山﨑貞一賞を受賞することは、私にとって大変な名誉です。これまでに受賞された方々の業績を改めて拝見しますと、身の引き締まる思いがします。
特に、私自身は、東工大で加藤与五郎先生が創設された電気化学科の流れを組む専攻で、長年研究開発を行ってきたこともあり、加藤与五郎先生と武井武先生のフェライトの発明を事業化された山﨑貞一先生が創設された賞を受賞できたのを、たいへん嬉しく思います。
さらに、私たちの研究グループが物質開発から電池開発に大きな成果をあげることができたのは、ひとえに、一緒に研究を行ってきた非常に優秀な共同研究者・技術者の方々、そして苦労と発見の喜びを共にしてきた研究室の学生の方々の努力があってのことです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
この受賞のテーマとなった技術が、社会に大きく貢献するまでに育つには、さらなる技術開発の進展が必要です。そのための一層の努力をする所存です。
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