本学では、2007年よりタイ国立科学技術開発庁およびタイのトップクラス大学と連携し、TAIST-Tokyo Tech(以下、TAIST※)という修士課程プログラム(自動車工学、組込情報システム、エネルギー資源工学の3分野)をタイで実施しています。
このTAISTを活用した学生受入れプログラム「TAIST-Tokyo Tech 学生交流プログラム(TAIST-Tokyo Tech Student Exchange Program)」を今年度も実施しました。実施3年目を迎えた本プログラムは、タイ現地のTAIST学生を本学へ受入れ、修士論文研究における副指導教員の研究室に配置し、研究活動に従事させるものです。今年は6名の学生を9月下旬から2ヵ月超にわたり受入れました。
本プログラムは、本学の優れた研究環境のもと、東工大生と協働しながらTAIST学生に研究活動を行ってもらうことを主目的としています。その他、TAIST協力教員の研究室訪問、キャンパスツアー、工場見学、休日アクティビティなども実施しています。
工場見学では、今年は東洋ガラス株式会社の千葉工場を訪問しました。学生たちは、ガラスびんの製造工程を間近で見学し現場の雰囲気を体感するとともに、作業のほとんどがオートメーション化され工場が少人数で運営されている様子に驚いていました。TAIST事業の目的の一つは、タイをはじめとするアジア諸国での理工系分野におけるものつくり人材の育成です。日本のものつくりの最先端技術と現場を体感することができ、TAIST学生にとって最も印象深い体験の一つとなりました。
休日アクティビティでは、TAISTを活用した学生派遣でタイへ短期留学する予定の東工大生と一緒に、お台場を観光しました。来日してまもなく、このアクティビティが行われましたが、学生同士すぐに打ち解け、とても楽しい時間を過ごしたようでした。
プログラムの最後には帰国前報告会が開催され、TAIST学生はTAIST協力教員、受入指導教員、研究室のメンバーらの前で研究成果の発表を行いました。参加者からそれぞれの発表内容について多くの質問がなされ、中には持ち時間が足りなくなる学生もいましたが、議論を通じて今後の課題が明らかになり、帰国後の研究活動への意欲が高まったようでした。続いて行われた懇親会では、皆でこの2ヵ月間について振り返るとともに、今後の活躍へのエールがTAIST学生に送られました。
参加学生の声
- 研究活動では思いもよらない実験結果が出たため、苦戦しました。しかし、数週間にわたり副指導教員と議論を重ねたことで、最終的にはその現象を結論づけることができ、非常に興味深い結果を得ることができました。この経験を通じて、物事に対する責任感が増しました。
- 東工大に滞在中、日本語クラスを履修しました。まさか自分が第3言語を勉強するとは思いませんでしたが、授業がとても面白かったので、帰国後も勉強を継続したいと考えています。
- プログラムに参加したことで、タイムマネジメントや物事の適切な計画の立案、その他さまざまなスキルを上達させることができ、かけがえのない経験となりました。仕事・日常生活に関わらず、今後のキャリアに役立てたいと思います。
今回受入れた学生たちは、TAISTを修了後、就職や博士後期課程への進学等、それぞれ次のステージへと進みます。本プログラムで得た経験を活かし、今後世界を舞台に活躍することが期待されます。
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- TAIST(タイスト):Thailand Advanced Institute of Science and Technologyの頭文字。タイ政府からの要望により、理工系分野での高度な「ものつくり人材」の育成と研究開発のハブを目指して設立。タイにおいて、急速な工業化から派生する諸問題の解決や持続可能な発展に資する研究開発、人材育成を目的としています。
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- 1月10日9:50 問い合わせ先の電話番号に誤りがあったため、修正しました。