ミリ波帯無線機で毎秒28Gbit の伝送速度を達成
-64値変復調が可能な世界初の60GHz帯無線機を開発-
概要
東京工業大学大学院理工学研究科の松澤昭教授と岡田健一准教授らの研究グループは、28Gb/s(毎秒280 億ビット)伝送が可能な60GHz(600 億ヘルツ)ミリ波無線機を開発した。
無線信号の位相と振幅の両方を使って一度に6ビット分の情報を送る64QAMという変調方式に対応した世界初の60GHz帯無線機である。従来方式では変調帯域が広げられず、伝送速度を20Gb/s 以上にできなかった。同グループは広帯域化が可能なミキサファースト型の送信機を開発し、この問題を解決した。
開発した無線機は最小配線半ピッチ65nm(ナノメートル) のシリコンCMOS プロセスで試作した。IEEE802.11ad/WiGig 規格など60GHz 帯ミリ波無線通信の各種国際標準規格に準拠する無線通信が可能である。消費電力は送信機186mW(ミリワット)、受信機155mW、発振器64mW と低く、携帯電話などに搭載可能であり、ミリ波無線通信の実用化につながる。
本成果は9日からサンフランシスコで開かれる「ISSCC (国際固体回路国際会議)」で11日に発表する。
お問い合わせ先
大学院理工学研究科電子物理工学専攻 岡田健一
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