10月23日、横浜崎陽軒本店会場において、「神奈川県ヘルスケア・ニューフロンティア講座~第1回健康増進と豊かな暮らしを実現するための最先端技術とその産業応用~」を開催しました。本講座は、本学の複合系コース※の1つである、ライフエンジニアリングコースが神奈川県からの委託を受けて行っている事業で、2016年度に計3回の開催を予定しています。
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- 複合系コース:複数の学院や系にまたがる異なる学問領域を融合させ、新たな学問領域を確立した上で教育にあたる大学院課程における先駆的なコース
初回となる本講座では、様々な医療・福祉に関わる科学技術が開発される中、人工知能や脳科学に着目をし、これらの研究開発が私たちの健康や日常生活のサポートにおいてどのような役割を果たしているかをヘルスケアに関心を持つ方々に説明しました。
第1部はライフエンジニアリングコースの梶原将主任(生命理工学院 教授)の開会挨拶から始まり、神奈川県政策局ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室の関口仁氏より、現在、神奈川県が推進している未病産業研究会(ME-BYO)やCHO構想※等、超高齢化社会に向けて行っているヘルスケア・ニューフロンティアの施策についての説明がありました。
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- 企業や団体等が、組織内に「CHO(Chief Health Officer=健康管理最高責任者)」の職を設け、従業員やその家族の健康づくりを企業理念に取り入れ、経営責任として従業員等の健康マネジメント、いわゆる健康経営を進めるもの。
その後、セラピー用アザラシ型ロボット「PARO」の開発者である、産業技術総合研究所の柴田崇徳氏が、「世界一セラピー効果があるロボット-科学的エビデンスに基づく非薬物療法」をテーマに講演しました。PAROを活用することにより、薬を使わない治療が可能となり、コスト削減の面だけではなく、患者の状態を健康的かつ効果的に回復させることができることから、海外からも注目を集めていると話しました。
続いて、本学情報理工学院の三宅美博教授より「リズム歩行アシストロボットWalk-Mate(ウォークメイト)とパーキンソン病治療への応用」をテーマに、三宅教授が開発した「Walk-Mate」の動きを動画で説明するとともに、デザイン画を使って現在開発中の「着るロボット」についても紹介しました。
次に本学科学技術創成研究院 バイオインターフェース研究ユニットの吉村奈津江准教授が登壇し、「脳波による脳情報のデコーディングとリハビリテーションへの応用」と題し、脳波を活用した介護サポートロボットや、脳波を利用して患者の身体機能を回復させる仕組み等について解説しました。
休憩時間には、柴田氏開発のPAROが会場に用意され、多くの来場者が頭を撫でたり、声をかけたりと、PAROとのふれあいを楽しんでいました。
第2部では、本学の水本哲弥副学長(教育運営担当)が「東京工業大学の新教育システム」について、将来、科学技術の力で世界に貢献するため、学生が自ら進んで学び、鍛錬する「志」を育てたい等、印象的なキャッチフレーズをいくつか交えて紹介しました。
最後に、梶原主任より「ライフエンジニアリング分野の大学院教育」について説明し、第2部を締めくくり、第1回講座を終了しました。全体を通して鋭い質問も挙がるなど、大変有意義な講座となりました。
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