東京工業大学では、「『以心電心』ハピネス共創社会構築拠点」が、文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「革新的イノベーション創出プログラム(センター・オブ・イノベーション、以下COI STREAM)」のCOI拠点に採択されています。
6月6日に大岡山キャンパスの石川台7号館にて、ビジョナリーチーム(ビジョン2:豊かな生活環境の構築(繁栄し、尊敬される国へ))によるサイトビジット(現地調査)が行われました。
COI STREAMでは、現在潜在している将来社会のニーズから導き出される社会のあるべき姿、暮らしのあり方(ビジョン)を設定し、拠点設計や拠点構成に係る検討等を行う「ビジョナリーチーム」を、ビジョンごとに設置しています。ビジョナリーチームは各拠点に対して、活動成果や研究開発の進捗状況の把握、拠点構想に対する意見聴取等を行うことを目的に、サイトビジットを実施しています。
当日は、科学技術振興機構COIビジョナリーチーム・ビジョン2の横田昭ビジョナリーリーダー、文部科学省科学技術・学術政策局の坂本修一課長をはじめ、多くの方が来訪しました。
一方、東工大側は、三島良直学長、安藤真理事・副学長(研究担当)をはじめ、『以心電心』ハピネス共創社会構築拠点の秋葉重幸プロジェクトリーダー、小田俊理研究リーダー(科学技術創成研究院 教授)、参加企業関係者、関係教員等が対応しました。
三島学長の開会挨拶に続き、秋葉プロジェクトリーダーと小田研究リーダーが、過去3年間のフェーズ1の活動実績の報告と今後3年間のフェーズ2に向けた方針説明を行いました。
その後、フェーズ2で本格化する社会実装に向けて、4つのサービス(情報想起、多言語意訳、存在感通信、およびつながり共創空間サービス)とそのプラットフォーム技術について、実装を担当する参加企業グループとこれに対応する本学教員グループが、それぞれの研究開発状況について報告しました。
午後からは「つながる以心電心ラボ」で研究成果のデモを行いました。
情報想起サービスのデモでは、東工大すずかけ台キャンパスにいる話し手の映像が実物さながらにスクリーンに投影され、質問に対応した回答がメール分析結果から提示され、会話が進展していく様子が示されました。
存在感通信サービスのデモでは、遠隔地の話し手がリアルな映像として表現される方法と、隣に座っているアバターロボットが話し手になりかわり身振り手振りを含めて会話する2つの方法が紹介されました。
続いて、つながり共創空間サービスに関する4つのテーマに関するデモです。最初にコミュニケーションにおける共感度を可視化する方法、2つ目は天井からの無線給電を受け充電レスで多軸超小型センサを動作させるデモ、3つ目はバーチャルリアリティを利用した感性の計測、そして4つ目は脳計測を目指したダイヤモンド量子センサの生体磁気計測への応用に関して行いました。いずれも人の感性を科学的に分析したり、それを支える技術として重要なものです。
その後、これからのプロジェクト遂行上の留意点について報告をしました。社会実装に向けた課題の抽出と対応、サイエンスカフェによるCOI STREAM活動の一般の人々への理解、個人情報保護法と本プロジェクトの関係について述べ、そして今後も継続してプラットフォーム構築を推進することを表明しました。
今回のサイトビジットに対する科学技術振興機構、および文部科学省の幹部から講評をいただき、最後に、閉会の挨拶として安藤理事・副学長(研究担当)が東工大におけるCOI STREAMの位置付けと本日のお礼を述べ、サイトビジットは無事終了しました。
6時間にわたる長丁場となりましたが、今回いただいた講評を参考に、フェーズ2となる社会実装を推進していきます。
- COI「『以心電心』ハピネス共創社会構築拠点」サイトビジット|東工大ニュース
- 『以心電心』ハピネス共創研究推進機構
- 東京工業大学COIサイトビジット開催報告(2016年6月6日)|『以心電心』ハピネス共創研究推進機構