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東工大スパコンTSUBAMEシリーズが省エネ性能スパコンランキング2冠を獲得!

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  • 次世代TSUBAME 3.0のテストシステム、オイルによる冷却システムを備えた「TSUBAME-KFC(用語1)」がGreen500(省エネ)において圧倒的な性能で日本のスパコンとして初めて世界1位を達成。同時にGreenGraph500(省エネのビッグデータ処理)においても1位を獲得し、省エネに関するランキングで2冠を獲得。
  • 東工大のスパコン「TSUBAME 2.5」がGreen 500(省エネ)世界6位。TOP500(処理速度)世界11位、国内2位に。高い総合力を示す。

東京工業大学学術国際情報センター (GSIC) が、日本電気株式会社(NEC)、米国NVIDIA社など内外各社の協力で開発し、2013年10月に稼動を開始したスーパーコンピュータ「TSUBAME-KFC」が世界最高の省電力スパコンとして認定されました。The Green 500 List (用語2)の2013年11月版において1ワットあたり4,503.17メガフロップスという2位以下を大きく引き離す値を記録し、世界一位になったことが、米国Denver市で開かれたスパコンの国際会議 "SC13--Supercomputing 2013"で米国時間11月20日に発表されました。The Green 500 Listで日本のスパコンが一位になったのは初めてであり、低炭素社会の実現に向けた日米合同の技術リーダーシップを示したといえます。

同時にビッグデータ処理の省エネルギー性を競うために今年から始まったThe Green Graph 500 List (用語3)のビッグデータ部門においても世界1位となりました。これは前回(2013年5月)のThe Green Graph 500Listにおいて1位となったビッグデータ処理・グラフ処理で高い能力を持つIBM のスーパーコンピュータBlue Gene/Qを押さえての受賞となり、The Green 500Listと合わせて省エネに関するランキングで2冠となりました。

また、今年9月にアップグレードされた同センターのスパコン「TSUBAME2.5」も1ワットあたり3,068.71メガフロップスを記録し、The Green500 Listにおいて世界6位にランキングされました。「TSUBAME2.5」は、The TOP500 Listにおいても世界11位に返り咲き、日本国内ではスーパーコンピュータ「京」に次ぐ第2位となりました。

TSUBAME-KFC
TSUBAME-KFC

TSUBAME2.5
TSUBAME2.5

TSUBAME-KFCはTSUBAME2.0の後継となるTSUBAME3.0及びそれ以降のためのテストベッドシステムとして、同センターが推進する文部科学省概算要求「スパコン・クラウド情報基盤におけるウルトラグリーン化技術の研究推進」プロジェクトによって設計・開発されたものです。同プロジェクトではスーパーコンピュータの消費電力とそれに係る冷却電力の双方の削減を目標としており、TSUBAME-KFCでは計算ノードを循環する油性冷却溶媒液の中に計算機システムを浸して冷却する油浸冷却技術及び冷却塔による大気冷却の組み合わせによって非常に少ない消費電力で冷却できるように設計しています。

TSUBAME-KFCシステムは40台の計算ノードとそれらを接続するFDR InfiniBandネットワークで構成されています。各計算ノードは1UサイズのサーバにIntel Xeon E5-2620 v2プロセッサ(Ivy Bridge EP)を2基、NVIDIA Tesla K20X GPUを4基搭載しており非常に高密度になっています。40ノードを1つの油浸ラックに収容されるコンパクトな設計になっています。システム全体の理論ピーク演算性能は217テラフロップス(倍精度)になります。

また「TSUBAME2.5」は、2010年11月版のThe TOP500 Listにおいて世界四位、The Green 500 Listにおいて世界二位、またGreenest Production Supercomputer in the World賞を受賞したスパコン「TSUBAME2.0」を今年9月にGPU(用語4)をNVIDIA Tesla M2050から最新のNVIDIA Tesla K20Xへアップグレードしたものです。これにより演算性能が倍精度で5.7ペタフロップス(用語5)、単精度で17ペタフロップスへと大幅に増強されました。また電力効率においても3倍以上向上しており今回のThe Green 500 Listにて再び世界トップクラスの電力効率であることが認定されました。

今回の結果は、東工大学術国際情報センターにおいて省電力化を目指して行われてきた種々の研究成果が結実したものと言えます。ウルトラグリーン化プロジェクトだけでなく、同センターにおける科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(JST-CREST)における「ULPHPC(超低消費電力高性能計算)」などの基礎研究プロジェクト、また米国NVIDIA社との数年来の共同研究プロジェクトにおいて、最新技術であるGPUのスパコンにおける大幅活用やHPCシステムの省電力化の研究などが続けられてきました。それらの成果をもとに、NECと米国NVIDIA社を中心に、米国Green Revolution Cooling社、米国Supermicro社、米国インテル社、Mellanox社などが加わった企業と共同開発が行なわれました。

シンポジウム 「スーパーコンピュータTSUBAMEの進化と未来」
 ―TSUBAMEがどう進化し、どのように使われるのかー

上記の成果を含めて、12/10(火)13時より、「スーパーコンピュータTSUBAMEの進化と未来」 ―TSUBAMEがどう進化し、どのように使われるのかーと題した記念シンポジウムを開催します。TSUBAME2.5のアップグレードと3.0に向けた研究開発から、超大規模アプリケーションの応用、また、産業界での利用に関してまで幅広い講演が行われる予定です。

用語1 TSUBAME-KFC

TSUBAME Kepler Fluid Coolingが語源。TSUBAME2.5と同様にNVIDIA社のKepler世代GPUを搭載していますが、TSUBAME-KFCでは計算ノードを液体に浸けて冷却している特長から名づけられています。

用語2 The Green 500 List

スパコンのベンチマーク速度性能を半年ごとに世界一位から500位までランキングするThe TOP 500 Listに対して、近年のグリーン化の潮流を受けTOP500のスパコンの電力性能(速度性能値 / 消費電力)を半年ごとにランキングしているリスト。
http://www.green500.orgouter

用語3 The Green Graph 500 List

The Green Graph 500 List : The Green 500 Listのように、ビッグデータ解析性能を競うGraph 500のスパコンの電力性能(解析性能値 / 消費電力)を半年ごとにランキングしている今年の5月から始められたリスト。
http://green.graph500.org/outer

用語4 GPU (Graphics Processing Unit)

本来はコンピュータグラフィックス専門のプロセッサだったが、グラフィックス処理が複雑化するにつれ性能および汎用性を増し、現在では実質的にはHPC用の汎用ベクトル演算プロセッサに進化している

用語5 ペタフロップス(Peta flops)、テラフロップス(Tera flops)

フロップスは1秒間で何回浮動小数点の演算ができるかという性能指標。ギガ(10の9乗)、テラ(10の12乗)、ペタ(10の15乗)など。

≪TSUBAMEに関する問い合わせ先≫

■ 東京工業大学学術国際情報センター
TEL: 03-5734-2087
FAX: 03-5734-3198
E-mail: kib.som@jim.titech.ac.jp
http://www.gsic.titech.ac.jpouter

■ 日本電気株式会社(NEC)
コーポレートコミュニケーション部 江澤
TEL:03-3798-6511
E-mail:j-ezawa@az.jp.nec.com

■ エヌビディア
マーケティング本部 広報/マーケティング・コミュニケーションズ
中村 かおり
Tel: 03-6743-8712
Fax: 03-6743-8799
E-mail: knakamura@nvidia.com


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