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大隅良典栄誉教授が第31回国際生物学賞を受賞

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独立行政法人日本学術振興会は、第31回(平成27年)国際生物学賞を東京工業大学フロンティア研究機構の大隅良典栄誉教授に授与すると発表しました。

国際生物学賞は、昭和60年(1985年)に昭和天皇の御在位60年と長年にわたる生物学の御研究を記念するとともに生物学の奨励を図るため、生物学の研究において世界的に優れた業績を挙げ、世界の学術の進歩に大きな貢献をした研究者に授与することを目的として設けられたものです。

大隅良典栄誉教授
大隅良典栄誉教授

大隅教授の受賞理由は、オートファジー(自食作用)研究において、分子レベルでの知見がゼロであったところからスタートし、多数のATG遺伝子の働きによってオートファジーが引き起こされるメカニズムを解明し、生物界に広く保存された重要な生命現象であることを示して、生命科学の重要な新しい分野を確立したことによるものです。

授賞式は、例年12月頃に東京・上野の日本学士院において開催され、授賞式及び受賞者を囲んでの記念茶会には、毎年、天皇皇后両陛下がご臨席いたします。

また、記念シンポジウムは12月5日(土)、6日(日)に京都にて開催予定です。

大隅良典栄誉教授コメント

この度今年度の国際生物学賞の受賞の報せを頂きました。国際生物学賞は生物学者であられた昭和天皇の御在位60年を記念して生物学の奨励を目的として創設されました。これまで30人の受賞者がおられますが、日本人は僅か6人です。その中でも日本でなされた仕事となると、1988年の木村資生先生と1999年の江橋節郎先生という大先輩による輝かしい業績があります。このような方々に混じってこのたびの栄誉を受けることは、身の引き締まる思いでおります。

オートファジーは、細胞が普遍的に持っている、自分自身の構成成分の分解機構です。私はひたすら、酵母という小さな生物を用いて、オートファジーの基礎的な解析を進め、関わる遺伝子群とその機能を明らかにしてきました。遺伝子の同定を機にオートファジーの研究は近年急速に広がりを見せ、高等動物の様々な生理機能に関わること、様々な病態にも関係していることが分かってきました。分解が合成に劣らず生命活動には重要であることが次第に明らかになりつつあります。私は今後残された研究時間で今一度原点にかえって、「オートファジーとは何か」という問いに向き合いたいと思っています。また細胞生物学という基礎分野の研究に若い世代が新たな興味をもって参画し、発展させてくれることを願っています。

今回の国際生物学賞の選考にあたりご推薦を頂いた方々、選考の任に当たられました諸先生方に厚く御礼申し上げます。またこれまで私の研究を共に進めて頂いた沢山の仲間に心から感謝したいと思います。

三島良直学長コメント

このたび大隅良典栄誉教授が国際生物学賞を受賞されることを大変嬉しく、また光栄に存じます。大隅教授は生命科学の全く新しい分野の研究を先導してこられ、オートファジーのメカニズムおよび生理学的機能を解明して医療への応用につながる大きな礎を築かれました。東工大はこれまでに幅広い科学技術の分野で卓越した研究成果を生み出してきていますが、今回の受賞を機に、生命科学分野での世界最先端研究をリードできる体制をさらに強化し、全学を挙げて支援していく所存です。


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