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エネルギーミックス、電力平準化を目指すスマートグリッド"エネスワローver.3"を開発

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“エネスワローver.3”が制御する東工大・大岡山キャンパスのメガソーラーと各種分散電源

概要

東京工業大学は、エネルギーミックスと電力の平準化をおこなう独自のスマートグリッド“エネスワローver.3”を企業数社と共同で開発し、大岡山キャンパスで運用を開始しました。738kWの太陽電池、105kWのガスエンジン、96kWh(48kWh×2台)のリチウムイオン二次電池をキャンパス内に増設し、2012年に竣工した「東工大環境エネルギーイノベーション棟(EEI棟)」の650kWの太陽電池、100kWの燃料電池、排熱を利用する空調機器などのEEI棟エネルギーシステムとも連携して制御します。 今回の増設によって、大岡山キャンパスの太陽電池の発電容量は合計で約1.4MWとなり、メガソーラー発電所に匹敵する発電容量となりました。また、“エネスワローver.3”は、熱需要に応じた各分散電源の高効率運転をおこなうとともに、リアルタイムデータに基づく独自の電力予測式によってピークカット制御をおこないます。さらに、停電時には各分散電源が連携し、環境エネルギーイノベーション棟に電力を供給し、長期の停電時でも永続的に自立運転をおこなうことができます。“エネスワローver.3”は、高度制御および規模の点で世界初の技術です。

大岡山キャンパス太陽電池の増設図

大岡山キャンパス太陽電池の増設図

スマートグリッド“エネスワローver.3”の特長

大岡山キャンパスに増設された太陽電池:738kW(大岡山キャンパスの屋根に増設)、ガスエンジン:35kW×2台=105kW、リチウムイオン二次電池:48kWh×2台、およびEEI棟既設の太陽電池:650kW、燃料電池100kWの分散電源の運転を制御し、EEI棟および大岡山キャンパスの基幹電力データを集約化するシステムである。

  • ピークで大岡山キャンパス電力の約15%の電力(1/28 10:40では約12%)を太陽電池を主とする分散電源で供給可能となった。
  • エネスワローver.2では、キャンパス全体の太陽光発電量のリアルタイム取得を実現した。
  • エネスワローver.3では、ver.1、ver.2との相互連携、統合化が可能となった。
  • リアルタイムデータに基づく「1. 30分ごとの電力量予測」、「2. 数分後の電力予測」を独自開発した計算式で予測したうえで、ピークカット制御が可能となった。
  • 停電時には、各発電機(太陽電池、ガスエンジン、燃料電池)からの発電電力と空調・照明・エレベータなどによる消費電力の差を最小にする制御をおこない、2台のリチウム二次電池(48kWh×2)を使って長期の停電時でも永続的に自立運転をおこなうことができる。(この蓄電池制御構成は、2012年東工大から特許を申請済み)
エネスワローの管理画面1

エネスワローの管理画面1

エネスワローの管理画面2

エネスワローの管理画面2

スマートグリッド“Ene-Swallow ver.2, 3”の開発

基本設計・設計統括

東京工業大学 理工学研究科 伊原学研究室

情報システム設計

NTTデータ カスタマサービス株式会社
株式会社NTTデータビジネスシステムズ

ソフトウエア設計

シムックス株式会社

各分散電源設置工事統括・エネルギーデータ計測

東京工業大学 施設運営部
株式会社 関電工

太陽電池設置設計

パナソニックESエンジニアリング株式会社
パナソニック株式会社

ガスエンジン排熱利用設計

アズビル株式会社
ヤンマーエネルギーシステム株式会社

二次電池制御工事・設計

宝電設工業株式会社
株式会社 東芝

技術協力

株式会社 日本設計

問い合わせ先

大学院理工学研究科化学専攻 准教授
伊原 学
Email : mihara@chem.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3337


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