東京工業大学の伊賀健一名誉教授・元学長が令和4年度文化功労者に選ばれました。文化功労者とは、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者を顕彰するものです。
伊賀名誉教授は、携帯端末の顔認証などに応用されている「面発光レーザー」の発明などにより、光工学分野の発展に多大なる貢献をしました。
伊賀健一名誉教授コメント
文化功労者として顕彰いただくことは、身に余る光栄です。私は、光の道を一貫して歩んで参りました。そして半導体レーザーの研究から、「面発光レーザー」の発明に至り、その発展に尽くすことができました。最初はほとんどの人が"面白いが実用にはならないだろう"と思っていた課題でした。じっくりと取り組むことができたことに、ご支援、ご指導賜りました東京工業大学ならびに恩師の末松安晴栄誉教授に深く感謝申し上げます。
半導体光デバイスを作っていくという研究は1人ではなし得ず、日々の研究をともにした同僚、学生諸君、研究員、職員の方々との共同作業のおかげです。半導体プロセスと光学技術の両方のかけ算になりますから。異種半導体の薄膜を形成する液相成長から始まって、気相成長装置も研究室の自作からでした。デバイスを作ったり、測定したりする装置もそうでした。そこから、製品化されたものもいくつかあります。世界中の大学や研究機関での講義も行い、面発光レーザーの面白さを説いて回ったことも今の発展に繋がったと思います。それから少しずつ文部省の科学研究費などを獲得できるようになりました。クリーンルームも大学で設置されるようになり、世界のセンターの1つに比肩できるに至りました。「わらしべ太郎」の話を何時も思い浮かべていました。ただ、ハッピーエンドでおしまいというわけではなく、岸源也教授が仰ったように、工学は弁証法的に際限なく「伝承と創造」の道が続くのですね。そこが面白く、また緊張感に満ちた世界です。
次世代の諸君がこれまでなかったものの創造に挑戦し、工学の発展への夢を持っていただきたいと願います。これからも、講演や著作を通じて、光エレクトロニクスの発展に尽くす所存です。
- 令和4年度 文化功労者|文部科学省
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- 伊賀健一 Kenichi Iga|研究者検索システム 東京工業大学STARサーチ
- 伊賀健一 Web Site
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