東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の星野歩子准教授が「第27回(2022年度)日本女性科学者の会奨励賞」を受賞しました。
一般社団法人日本女性科学者の会は1958年に設立されました。女性科学者相互の友好を深め、各研究分野の知識の交換をはかり、女性科学者の地位向上を目指すとともに、世界平和に貢献することを目的とした組織です。本賞は女性科学者育成を目的とし、1995年に創設されたものです。
贈呈式、記念講演会は5月22日にオンライン形式(Zoom)で行われました。
受賞研究
エクソソーム含有タンパク質によるがん転移機構と診断バイオマーカーの解析
星野歩子准教授のコメント
このたびは名誉ある日本女性科学者の会奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。選考委員の皆様に心より御礼申し上げます。
大学2年生の時に友人が骨肉腫を患ったことを機に、疾患、特にがんについて、体内でどのような変化が起きているのか学びたいと考えるようになりました。大学院ではがんセンター東病院病理部の研究室で、がん細胞とそれを取り巻く間質細胞との相互作用について研究しました。教科書や論文に書いてあることだけではわからない、現場でがん患者を診ている医師の経験や感覚からくる情報の多さに驚き、疾患を学ぶ上で、臨床医との連携が不可欠であることを実感しました。その後約9年間、米国コーネル大学で臨床医であるデイビッド・ライデン(David Lyden)教授の研究室にて、がん転移機構とエクソソームについて研究を進めてきました。多くの臨床医が研究に関わる環境の中で、基礎と臨床の融合的な研究成果を得ることができ、そのような点についても今回評価いただけたのではないかと思っております。今後も、未来に資するエクソソーム研究の発展に邁進していく所存です。日頃から私の研究生活を支えてくださっている多くの先生方や研究室の皆さんに、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
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