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東工大関係者4名が令和3年秋の叙勲を受章

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令和3年(2021年)秋の叙勲において、長年に渡る教育研究の功労に対し、岩本正和名誉教授、齋藤彬夫名誉教授、橋爪弘雄名誉教授、渡邉利夫名誉教授が瑞宝中綬章を受章しました。

岩本正和名誉教授 瑞宝中綬章

コメント

岩本正和名誉教授
岩本正和名誉教授

最近の触媒の世界では量子化学計算や最先端分析機器が大活躍していますが、私が研究を始めた頃の触媒化学では最適触媒を絨毯爆撃で探すことが多かったように思います。私の研究生活は、固体触媒上の酸素の吸着挙動の解明という極めて基礎的な研究からスタートしました。研究を初めてまもなく銅イオン交換ゼオライトが容易に酸素を放出する現象が見つかり、それに基づいて一酸化窒素の接触分解を実現できました。さらに、銅ゼオライトの触媒活性を改善する研究の途上で炭化水素による一酸化窒素の選択還元を見出しました。後者は、その後の自動車触媒開発の嚆矢となりました。一方、バイオエタノールの研究ではナノ多孔体-ニッケルイオン-テンプレートイオン交換という三つの因子の組み合わせでプロピレン合成を達成できました。いずれの研究においても混沌とした世界から基礎的な新事象を抽出し、新しい反応系の創出まで昇華できたことは本当に幸運だったと思っています。ここに至るまでにたくさんの先輩、同僚、後輩の方々からご鞭撻・ご協力・ご助力をいただきました。改めて感謝申し上げるとともに、これからも社会の発展に貢献していきたいと願っています。

略歴

1971年3月

九州大学 工学部 卒業

1973年3月

同 大学院工学研究科 修士課程 修了

1976年6月

同 大学院工学研究科 博士課程 単位修得退学(1978年10月 修了)

1976年7月

長崎大学 工学部 助手

1978年7月

同 工学部 講師

1981年4月

同 工学部 助教授

1987年4月

宮崎大学 工学部 教授

1990年4月

北海道大学 触媒化学研究センター 教授

1990年4月

同 大学院工学研究科 教授(併任、~2000年3月)

1994年7月

東京工業大学 資源化学研究所 教授(併任、~1995年3月)

1997年4月

北海道大学 触媒化学研究センター長(~2000年3月)

2000年4月

東京工業大学 資源化学研究所 教授

2003年4月

同 大学院総合理工学研究科 化学環境学専攻長

2010年3月

北海道大学 名誉教授

2010年4月

東京工業大学 フロンティア研究機構 教授

2013年4月

同 資源化学研究所 教授

2014年3月

定年により退職

2014年4月

東京工業大学 名誉教授

2014年4月

中央大学 研究開発機構 教授

2017年10月

早稲田大学 理工学術院総合研究所 研究院客員教授

2019年4月

早稲田大学 理工学術院総合研究所 招聘研究員(~現在に至る)

主な受賞・受章歴

1991年

新技術開発財団 市村学術賞 貢献賞

1994年

英国機械学会 Crompton Lanchester Medal

1995年

日本化学会 学術賞

2001年

触媒学会 学会賞

2007年

平成19年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)

2009年

東レ科学技術賞

齋藤彬夫名誉教授 瑞宝中綬章

コメント

齋藤彬夫名誉教授
齋藤彬夫名誉教授

周囲の多くの方々に支えられての受章と、感謝しています。
大学院では、熱伝導の数値解析法の研究で博士の学位を取得しましたが、卒業後は、蓄熱技術の基礎研究を中心に、様々な視点から研究を行いました。特に、固体がその融点より温度の高い面に接触して溶融する接触溶融現象に関する一連の研究と、氷核生成現象を確率的な視点で捉えた、過冷却水の凝固に関する一連の研究は、先駆的な成果と自負しています。
50歳の頃に転機があり、教務部長を2期4年つとめました。教務、厚生補導、留学生、入試に関連した多数の会議と実務で毎日が忙しく、研究時間を確保するのに大変苦労した記憶があります。その後さらに、理事・副学長(教育担当)を4年つとめることとなり、通算8年間、学務部(教務部)の仕事に関わりました。その間、阪神淡路大震災と、東日本大震災が起こり、実家が被災した学生さん達への対応と支援に没頭したことは、最も記憶に鮮明な出来事です。東日本大震災の翌日に、混乱の中、後期日程入試をなんとか実施できたことは、忘れることが出来ません。
振り返りますと、常に多くの素晴らしい人達に囲まれて、研究活動や様々な業務を続けられたことは、誠に幸せでした。

略歴

1965年3月

東京工業大学 機械工学科 卒業

1967年3月

同 大学院機械工学専攻 修士課程 修了

1970年3月

同 大学院機械工学専攻 博士課程 修了、工学博士

1970年4月

山梨大学 工学部 講師

1970年10月

同 工学部 助教授

1978年10月

東京工業大学 工学部 助教授

1987年2月

同 工学部 教授

1993年11月

同 教務部長(併任、〜1995年10月)

1997年11月

同 教務部長(併任、〜1999年10月)

2000年4月

同 大学院理工学研究科 教授

2000年4月

同 工学部 機械科学科長(併任、〜2001年3月)

2001年4月

同 附属図書館長(併任、〜2003年3月)

2003年4月

同 大学院理工学研究科 機械物理工学専攻長

2007年4月

大学評価・学位授与機構 特任教授(~2007年9月)

2007年10月

東京工業大学役員着任のため退職

2007年10月

同 理事、副学長、教育推進室長、国際室長

2008年4月

東京工業大学 名誉教授

2011年10月

任期満了により理事・副学長退職

2014年4月

長岡技術科学大学 監事(~2020年8月)

主な受賞・受章歴

1965年

日本機械学会 畠山賞

1989年

日本冷凍協会 学術賞

1991年

日本冷凍協会 学術賞

1994年

日本冷凍協会 学術賞

1998年

日本冷凍空調学会 学術賞

2021年

瑞宝中綬章

橋爪弘雄名誉教授 瑞宝中綬章

コメント

橋爪弘雄名誉教授
橋爪弘雄名誉教授

このたびの栄誉にやや戸惑っています。18年間お世話になった東京工業大学で長と名の付く役職に就いたことがない私が受章したからです。思い返せば、大学院に入学した1964年から2005年の定年まで、研究・教育一辺倒でした。東京大学では菅野猛先生から格子欠陥論について、次いで恩師高良和武先生から動力学的X線回折について教えを受け、優れた人格者の両先生の許で計15年間を過ごせたのは、本当に大きな喜びです。東京工業大学では丸茂文幸先生から固体界面や無機結晶の構造研究、円偏光X線共鳴磁気散乱法の開発に多大のご支援をいただきました。44年間の研究生活で最大の出来事は、強力なX線源であるシンクロトロン放射が実用化され、わが国では放射光実験施設PF(現:高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所)、続いて、大型放射光施設SPring-8が建設されて一般共同利用に付され、凝縮系物質のミクロ構造研究に飛躍的進歩がもたらされたことです。この時代に巡り合わせたのは、幸運でした。PFの建設に参加し、小角X線回折ステーションを立ち上げたのは貴重な経験です。海外から客員教官や多数のポスドク生を工業材料研究所(後:応用セラミックス研究所)の研究室に受け入れ、また、フランス、ロシア、オーストラリア、ブラジル、インド、韓国、アメリカなどの研究者と国際共同研究を行ないました。優れた先生、先輩、後輩、研究生、学生諸君に深く感謝しております。ありがとうございました。

略歴

1964年3月

東京大学 工学部 物理工学科 卒業

1970年4月

工学博士(東京大学)

1971年9月

東京大学 工学部 助手

1974年6月

同 講師

1982年5月

東京工業大学 工業材料研究所 助教授

1989年10月

同 教授

1996年5月

同 応用セラミックス研究所 教授(改組)

1999年5月

奈良先端科学技術大学院大学 物質科学教育研究センター 教授

2000年4月

東京工業大学 名誉教授

2005年3月

定年により退職

2005年4月

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 共同研究員(〜2008年3月)

主な受賞・受章歴

1985年

日本結晶学会賞

2021年

瑞宝中綬章

渡邉利夫名誉教授 瑞宝中綬章

コメント

渡邉利夫名誉教授
渡邉利夫名誉教授

東工大価値システム専攻で2000年に定年を迎えました。久方ぶりに東工大からご連絡を受け、当時のことをなつかしく思い起こしています。本館4階の一番奥まった、旧図書館長の部屋を長らく使わせてもらっていました。大きな部屋を二つに分け、一方は院生との共同研究室でした。西4号館からすぐ近くの官舎には、家族ともども8年間も住まわせていただきました。
受章につきましては改まってのコメントなどありません。東工大の後、拓殖大学に移りそこの学部長、学長、総長などをやっておりました。そういう職を長年やっていればおのずとこういうことになるのか、といった感じです。いろいろご配慮、ありがとうございました。

略歴

1970年3月

慶應義塾大学 大学院経済学研究科 博士課程 単位取得退学

1980年

経済学博士(慶應義塾大学)

1967年4月

関東学院大学 助手

1973年4月

同 助教授

1975年10月

筑波大学 助教授

1986年1月

同 教授

1988年4月

東京工業大学 工学部 教授

2000年4月

東京工業大学 名誉教授

2000年4月

拓殖大学 国際開発学部 学部長

2005年4月

同 学長

2011年12月

同 総長

2015年12月

同 学事顧問

2021年1月

同 顧問

主な受賞・受章歴

1985年10月

吉野作造賞

1987年7月

大平正芳記念賞

1990年10月

アジア・太平洋賞 大賞

1996年4月

開高健賞 正賞

2006年7月

外務大臣表彰

2011年11月

正論大賞

2021年11月

瑞宝中綬章

関連リンク

お問い合わせ先

東京工業大学 総務部 広報課

E-mail : media@jim.titech.ac.jp


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