東京工業大学 物質理工学院 材料系の中田伸生准教授が、3月16日、公益社団法人日本金属学会の第79回「功績賞」(学術部門)を受賞しました。日本金属学会によると、功績賞は、「金属学及びその関連材料分野の学術又は工業技術の進歩発達に寄与する有益な論文を発表したもの又は有益な特許を取得したもので、将来を約束されるような新進気鋭の研究者、技術者」に授与されるものです。受賞講演は3月18日、オンライン開催された日本金属学会春期講演大会で行われました。
受賞テーマと理由
日本金属学会が発表した受賞テーマと理由は次の通りです。
鉄鋼材料の強靭化を目指した組織と力学特性に関する研究
受賞者は、一貫して鉄鋼材料の組織と力学特性に関する研究に従事している。合金設計と加工熱処理による組織制御を得意としながら、転位論やマイクロメカニクスにも通じており、次の課題において大きな研究業績を残している。bcc-fcc逆変態の熱力学と速度論、複合組織の不均一変形、組織形成と力学特性に及ぼす内部応力の効果。これらの成果は、鉄鋼材料の強靭化を探求する基礎的なものであり、その遂行は材料科学だけでなく、産業界が必要とする工学分野にも大きく貢献するものである。
中田伸生准教授のコメント
この度、日本金属学会の功績賞を受賞させていただき、大変光栄に存じます。研究をご指導いただいた先生方ならびに一緒に実験に携わってくれた同僚、共同研究者、学生諸君に心から感謝申し上げます。受賞題目は「鉄鋼材料の強靭化を目指した組織と力学特性に関する研究」であり、強くてしなやかな鉄鋼をつくるための基礎研究が評価されました。社会の基盤材料である鉄鋼材料のように、引き続き地道に研究と教育に勤めてまいります。
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