東京工業大学が産学連携の促進を目的として新たに設立したオープンイノベーション機構(以下、OI機構)は、2月10日、第1回「東京工業大学 国際オープンイノベーションシンポジウム 2020」を東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催しました。OI機構のキックオフシンポジウムとして開かれ、企業の経営者、企画・戦略担当者等を中心に、300名を超える参加者が集まりました。
渡辺治理事・副学長・OI機構長の挨拶に続き、益一哉学長が本機構の概要を説明しました。続いて、大嶋 洋一OI機構副機構長・統括クリエイティブマネージャー・教授が、本学が推進するコンシェルジェ型オープンイノベーションを紹介しました。コンシェルジェ型オープンイノベーションは企業のニーズに応えるため学内外のリソースを活用しサービスを提供する仕組みです。
シンポジウム第1部の「グローバルなオープンイノベーションのトレンド」では澤井智毅・世界知的所有権機関日本事務所長ら4名が基調講演を行いました。
第2部は「大学が提供するオープンイノベーション環境に対する企業経営者の期待」というテーマでパネルディスカッションを行いました。OI機構で活動している3つの協働研究拠点(AGCマテリアル協働研究拠点、コマツ革新技術共創研究所、aiwell AIプロテオミクス協働研究拠点)の企業と教員が話し合いました。
第3部は、量子コンピューティング研究ユニットの西森秀稔教授ら東工大科学技術創成研究院の12ユニットの教員が最先端研究の内容を紹介しました。
会場では、各研究ユニットが紹介ポスターの展示やビデオ上映を行いました。終了後は交流会も開催され、参加者のネットワーキングの機会となりました。
今回のシンポジウムを通し、多くの方々に本学が目指すオープンイノベーションの形や企業との関わりをご理解いただくことが出来ました。今後も、個別の共同研究の枠を超えた「組織と組織」としての大型の産学連携を使命に邁進していきます。
オープンイノベーション機構(OI機構)
東京工業大学は、共同研究を本格的にマネージしていく組織としてオープンイノベーション機構を創設しました。
産業界と密接に連携しつつ、新規事業開拓から社会実装までを目指した共同研究を進める協働研究拠点制度を中心に大型の共同研究を推進していきます。共同研究開発の研究企画から事業化までの各プロセスにおいて本学に求められる事業化支援活動(研究マネジメント、知財戦略支援、研究企画支援、出口戦略支援等)を実行します。
本学に強みのあるエネルギー分野、材料分野、及び注力して取り組む機械分野、バイオ分野を中心に大型の共同研究活動として、3つの協働研究拠点が活動を開始しました。
今後、協働研究拠点の研究領域の拡大、研究拠点数の増加を図り、大型共同研究の活性化に取り組んでまいります。