工学院 電気電子系の赤木泰文特任教授が、2018年IEEE メダル イン パワー エンジニアリング(IEEE Medal in Power Engineering)の受賞者に決定しました。
IEEE(アイ・トリプル・イー: The Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc.)は米国に本部を持つ電気電子分野の国際的な学会で、43万人の会員を有する世界最大の技術系の学会です。IEEEは現在16の分野でメダルを授与しており、IEEEメダルの受賞はIEEEにおいて最高の栄誉とされ、受賞者には金メダル等が授与されます。
IEEEメダル イン パワー エンジニアリングは2008年に設立された賞で、発電、送電、配電、電力応用などの広い意味での「電力工学」の発展に貢献した研究者・技術者を顕彰するものです。赤木泰文特任教授は、「電力変換システムとその応用の理論と実践に対する先駆的な貢献」が認められ、今回の受賞に繋がりました。授賞式は、2018年5月11日(金)にアメリカ・サンフランシスコにて行われる予定です。
本学関係者のIEEEメダル受賞は、末松安晴栄誉教授・元学長が2003年にIEEE ジェームス H. ミューリガン ジュニア エデュケーション メダル(IEEE James H. Mulligan, Jr. Education Medal)を受賞しています。今回の赤木泰文特任教授のIEEEメダルの受賞は末松栄誉教授に続く快挙です。
赤木泰文特任教授のコメント
大学の研究は基礎研究と応用研究に分類できます。
パワーエレクトロニクスなど電気電子工学の応用研究のIEEE Medalの受賞は、基礎研究でのノーベル賞の受章に匹敵する最高の栄誉です。
1973年4月の学部4年の卒業研究からパワーエレクトロニクスの研究を開始し、現在まで飽きることなく研究を継続しています。
その間、学生時代の恩師、研究室の先輩、同輩、後輩、そして大学教員になってからの上司、同僚、さらに一緒に研究に打ち込んだ当時の大学院学生の方々に厚くお礼申し上げます。
受章理由の主要な業績は、「三相回路の瞬時無効電力理論の構築とその応用」です。
瞬時無効電力の定義から、その物理的意味を数式を用いて厳密に証明するまで3ヵ月を要しましたが、証明そのものは大学1年で学ぶ線形代数学で十分に理解できるものです。
この瞬時無効電力理論を電力変換システムに応用し、従来の無効電力理論では実現不可能な実験波形を取得できた時の喜びは今でもはっきり覚えています。
本学在職中にIEEE Medalを受賞できることは大変に嬉しく思います。
- IEEE Medal in Power Engineering|IEEE
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