東京工業大学が科学技術創成研究院に開設したゼロカーボンエネルギー研究所(略称:ZC研)は8月31日、設立記念シンポジウムを開催しました。
同研究所は、科学技術創成研究院の先導原子力研究所を6月1日付で「ゼロカーボンエネルギー研究所」として改組したものです。今回の設立記念シンポジウムは、ゼロカーボンエネルギー社会の実現をめざすZC研を広く世界に紹介するためにオンラインで開催しました。
科学技術や国際協力に関連した東工大の様々な研究成果や新たな取り組みを世界に向けて発信する「東工大グローバルウェビナー」としてシンポジウムを位置付けました。
最初に、益学長が開会あいさつで本研究所の命名に込めた思いを語りました。続いて、文部科学省研究振興局の植木誠学術機関課長、産業技術総合研究所の吉野彰ゼロエミッション国際共同研究センター長(2019年ノーベル化学賞受賞者)、マサチューセッツ工科大学先進原子力研究センターのヤコポ・ボンジョルノセンター長が研究所への期待と祝いの言葉を述べました。
続いて、竹下所長から研究所の設置経緯、概要及び今後果たすべき役割を説明しました。記念講演では、山地理事長が「ゼロカーボンエネルギーが拓く未来」、柏木センター長が「産学連携によるゼロカーボンエネルギーと地域創成」について、それぞれ、ゼロカーボン社会実現のための手段や重要性について話しました。
次に、加藤副所長のコーディネートにより、山地理事長、柏木センター長、竹下所長の3名が「ゼロカーボンエネルギーシステム構築に向けた研究開発」をテーマに活発なパネルディスカッションを行いました。カーボンニュートラル社会を実現するためには、技術革新のみではなく社会システムのイノベーションが必要であるなどの意見を交わし合いました。
シンポジウムの参加登録者は700名を超え、そのうち約15%は海外からの参加でした。英語の同時通訳も実施しオンラインのメリットを生かすことができました。ゼロカーボン社会への関心の高さや手ごたえが実感できるシンポジウムとなりました。
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