大学院情報理工学研究科計算工学専攻 小池英樹研究室の的場やすしさんらが開発したアクアフォールディスプレイが、優れた技術として経済産業省「Innovative Technologies 2014」に採択されました。
Innovative Technologiesは、経済産業省策定の技術戦略マップで示されている、技術開発の方向性に基づき、その実現に大きな貢献が期待できる先進的な技術を発掘・評価する事業です。産学連携の場での共有と社会への発信を行うことで、日本におけるコンテンツ技術の未来を描くことを目的とし、実施されています。今回「Innovative Technologies 2014」に採択された20の技術は、10月23日から26日まで日本科学未来館にて行われた「デジタルコンテンツEXPO2014」において展示されました。
アクアフォールディスプレイは何もない空間に短時間でスクリーンを出現、消失させることが可能で、プロジェクターの映像をきれいに表示することができます。さらにスクリーン面を物体が自由に出入りすることもできます。四角形状に構成された4本のスリットから流れ落ちる滝が作りだす閉じた空間の内部を濃い霧で満たすことにより、白色で完全に不透明、なおかつ表面が平滑なスクリーンを空中に出現させることを実現しました。光の散乱・反射率が高いため、周囲が明るい環境でも使用できます。
なお、小池研究室は昨年のアクアトップディスプレイに続いて2年連続の受賞です。
今回の採択を受けて、小池教授は次のようにコメントしています。
「昨年のAquaTop Displayに続き、今年も経済産業省のInnovative Technologiesに採択されて大変光栄です。これまでも水や霧をスクリーンとするシステムはありましたが解像度や発色に難がありました。本システムでは水で霧を囲い込むことでこれらの問題を解決しました。本システムはプロジェクタとカメラを一体化させたProCamsと呼ばれる技術の一応用ですが、表示媒体の選択肢が増し、実社会での適用分野が広がったと考えています。今後はシステムのスケーラビリティ等を検討していきたいと考えています。」
お問い合わせ先
大学院情報理工学研究科 計算工学専攻
教授 小池 英樹
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