東京工業大学は、リバーフィールド株式会社(以下、リバーフィールド)が東京工業大学および東京医科歯科大学と共同開発を行った手術支援ロボットシステム「Saroa(サロア)サージカルシステム」(以下「Saroa」)の製造販売承認を取得しました。
開発背景
近年、外科手術において術後の回復が早い、傷口が小さいなどの利点から、低侵襲な内視鏡外科手術における手術支援ロボットを用いた治療が増加の一途をたどっています。手術支援ロボットは、手振れ防止機能や手術に使用する術具(鉗子)に関節があることで精密に操作を行うことができ、外科治療において手術支援ロボットを用いた治療が今後さらに普及すると予想されています。
共同開発体制について
リバーフィールドは、東京工業大学と東京医科歯科大学の研究成果の実用化を目指して2014年に設立され、空気圧超精密制御技術を活かした世界初の空気圧駆動型手術支援ロボットを15年以上かけて開発してきました。この空気圧駆動技術によって、手術に使用する鉗子にかかる力を検出し、執刀医に触覚(力覚)をフィードバックできます。従来にはなかった触覚(力覚)を有することにより、自分の手で直接手術しているような感覚が得られ、手術の精度がより高くなると期待されています。
東京工業大学とリバーフィールドならびに東京医科歯科大学は、相互に連携をしながらSaroaを開発してきました。東京工業大学では、開発の視点からコンセプトや機構、制御方法の立案、基礎検討を、東京医科歯科大学では、医師の視点からSaroaを用いた手術シミュレーションや、ロボットの安全性評価を行いました。
今後は、東京医科歯科大学病院をはじめとする医療機関において臨床使用をスタートする予定です。対象となる診療科は、胸部外科(心臓外科を除く)、一般消化器外科、泌尿器科、婦人科です。より多くの治療に貢献できるよう、市場導入を目指します。
製品の特長
-
1.
触覚(力覚)フィードバック機能
従来の手術支援ロボットは、カメラ映像から得られる視覚情報にのみ依存しています。「Saroa」には、鉗子が握る力(把持力)を制御情報から推定し、医師が操作するコントローラにフィードバックする機能を搭載しています。これにより、ロボットを操作する医師は、自分の手で直接手術しているような感覚で手技を行うことができ、患者に対して、より安全で高精度な手術の実現が期待できます。 -
2.
省スペース
空気圧駆動を採用することで、医師などが至近距離にいる場合においても十分なスペースを確保できる軽量・小型なデザインを実現しました。これにより、手術室間・施設内の移動もしやすく、より柔軟な運用が可能です。医療関係者にとって安全な設計となっています。 -
3.
オープンプラットフォーム
「Saroa」では、さまざまなメーカーの内視鏡、モニタ及び電気メス装置を組み合わせて使用することができます。病院ですでに保有している装置を使用できるため、導入コストの低減化を実現します。
製品仕様
一般的名称 |
手術用ロボット手術ユニット |
---|---|
販売名 |
Saroa サージカルシステム |
型式 |
RF-SS01 |
区分 |
クラス3(高度管理医療機器) |
承認番号 |
30500BZX00108000 |
販売地域 |
日本国内 |
対象診療科 |
胸部外科(心臓外科を除く)、一般消化器外科、泌尿器科、婦人科 |
外形寸法 |
ペイシェントカート 855(W)×2,800(D)×1,945(H)mm |
重量 |
サージョンコンソール130kg(スコープモニター14kgを含む) |
定格電圧・周波数 |
AC100V、50/60Hz(サージョンコンソール) |
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- リバーフィールド株式会社
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- 研究成果一覧
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取材申し込み先
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東京医科歯科大学 総務部 総務秘書課 広報係
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